相互出向を通して、両社ともお互いのスキルを兼ね備えた人材育成を目指す
日本国内では、企業に所属するIT人材が少ないことがDXにおける課題となっている。ロイヤルホテルでも「社内全体のITに関する知識不足や、システム部門の人材不足」を課題と捉えており、中期経営計画(2019~2021年度)の戦略に「生産性の向上・効率化の推進」および「人事運営の改革」を掲げ、IT化・システム化と持続的成長を牽引する人材育成の推進を行っている。一方のさくらインターネットも、他業種の企業において「IT部門の人材不足が原因でシステム開発を外部発注せざるを得ない状況が、日本のDX実現における障壁である」との認識のもと、「これらの課題を解決していくことが、DXを推進する事業者としての使命」と感じていたという。
そこでロイヤルホテルは、さくらインターネットと、相互出向による人材交流を決定した。これにより、社員がクラウドコンピューティングサービスを含めたITスキルを学び、自社のDX推進を促すとともに、「ホスピタリティや業界知識」と「ITスキル」とを兼ね揃えた人材の育成につなげて、新たなサービスの創出を目指したい考えだ。さくらインターネット側も、相互出向によりロイヤルホテルのホスピタリティを学ぶことで、自社の「CS(カスタマーサクセス)」の向上を図り、顧客ニーズに合ったサービスの創出を目指すという。
本件は、相互出向を行うことで、双方が「DX推進」と「CS向上」といったメリットを得られる施策といえそうだ。異業種交流により、自社では得難いスキルを持った人材を育成することが可能になるかもしれない。