「従業員の出社7割減」達成は2割未満にとどまる
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、大都市圏を中心として1月上旬~中旬に緊急事態宣言が再発令された。これにともない、中小企業では在宅勤務などのテレワークをどの程度導入したのだろうか。はじめに、全ての中小企業経営者7,232名を対象に「従業員の出社割合」を尋ねたところ、7割以上削減した企業は18.5%にとどまった。一方、「全従業員が出社している」は半数以上の55.9%を占めており、「出勤者数7割削減」を政府が要請するなか、中小企業では出社割合を未だ削減しきれていない状況が明らかになった。
さらに、「全従業員が出社している」の回答率を都道府県別に見ると、鹿児島県が最も高く77.1%に。以下、高知県(76.7%)、和歌山県(76.5%)となった。
緊急事態宣言対象地域では「全員出社率」が低下
また、従業員の出社割合において「緊急事態宣言の対象都府県(以下、対象県)」と、「それ以外の非対象道県(以下、非対象県)」で比較した。すると、「全従業員出社」の割合は「非対象県」が64.8%と、「対象県」の49.5%よりも約15ポイント多い結果となった。出社削減率は昨年の緊急事態宣言時と同程度か
さらに、「従業員の出社割合を減らしている」と回答した3,187名に、昨春の緊急事態宣言下(2020年4月~5月)と現在の出社割合を比較したときの増減を尋ねた。すると、「変わらない」が51.5%、「出社を減らした」が43.7%となった。採用計画の変更と活動方式はどう変化したのか?
続いて、2020年に採用活動を行った企業の中小企業経営者(新卒採用:1,054名、中途採用:1,680名)に「採用人数」を尋ねた。すると、「計画より採用人数を減らした」が、「新卒採用」で45.8%、「中途採用」で42.7%と最多に。一方、「計画通りの人数を採用した」と「計画より採用人数を増やした」の合計は、新卒採用が54.2%、中途採用が57.2%となった。一方、採用活動にオンラインを取り入れる予定の企業は、新卒採用が47.9%、中途採用が39.9%となり(「オンライン・対面双方」と「オンラインのみ」の合計値)、中小企業でオンライン化が進んでいるのは半分以下という状況が明らかとなった。