新卒採用は「ジョブ型採用枠」を拡大、給与体系も見直し
新型コロナウイルス感染症拡大による混乱が続く中、KDDIは短期的な経済状況に左右されず、2022年度の新卒採用では260名の採用を計画中だと発表した。これは、2021年度と同規模の採用数となる。同時に、2020年度入社から導入を始めた、初期配属を確約したジョブ型採用枠「Willコース」を5割に拡大する。対象コースの幅も広がり、これまでの「データサイエンス」、「ソリューションエンジニア」などに加え、新設の「パートナーマネジメント (代理店営業)」 、「アカウントコンサル (法人営業) 」を加えた計12職種になるという。
また、2021年4月入社の新卒社員から、新人事制度が適用される。新制度では、一律の初任給制度を撤廃し、能力に応じた給与体系を導入。さらに、2020年度から導入されてきた、ジョブマッチングを目的とした有給の長期インターンシップもさらに拡大していく計画だ。
DX事業を推進すべく中途採用枠を拡大
一方、2021年度の中途採用においても、採用枠を拡大させる意向を示している。同社は、これまでもDX(デジタルトランスフォーメーション)などの成長領域の事業を拡大させており、今後もDX事業の拡大を担う即戦力人材の採用を強化するという。これにともない、2021年度の中途採用枠を190名とし、特に「DX推進コンサルタント」、「クラウドエンジニア」、「ソリューションエンジニア」などの専門性を有する人材の採用を加速させる方針を決めた。なお、全採用数の4割を中途採用者が占めるのは初めてとのこと。これにより、通信事業で培った「ソリューション開発の経験」と「KDDIグループのアセット」を活用し、顧客の経営課題を踏まえたDX戦略の策定とソリューション開発を進めていく考えだ。
また、KDDIの各グループ企業も、積極的な中途および新卒採用を行っている。同グループのうち、「KDDIエンジニアリング」、「ビッグローブ」、「中部テレコミュニケーション」、「auフィナンシャルホールディングス」、「エナリス」、「KDDIエボルバ」では、2022年度の新卒採用・2021年度の中途採用で合計400名超を採用する計画だ。
新型コロナの影響で業績が冷え込み採用控えに踏み切る企業もある中、長期的な社会情勢を見据えた採用計画が発表された。新卒者から適用される新給与体系についても、注目を集めそうだ。