アイリスオーヤマ株式会社は2020年8月4日、2021年度新卒採用枠について、当初計画していた400名に240名を上乗せし、640名に拡大すると発表した。新卒採用人数としては過去最多とのこと。同社の事業拡大にともなう人員強化と、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた雇用問題に対応していく考えだ。
アイリスオーヤマが2021年度新卒採用枠を大幅に拡大し、事業拡大とコロナ禍の雇用問題に対応。同時に通年採用の導入も

コロナ禍で増大する新たな需要に応え、マーケットを開拓

新型コロナウイルス感染症拡大を受け、新卒採用者の規模縮小や雇用見送りなどの調整を余儀なくされる企業も多い。一方、アイリスオーヤマではマスク需要の増大にともない「国内でのマスク生産に新規参入」したほか、「非接触型AIサーマルカメラを始めとした法人向けのAIカメラソリューション事業の拡大」、「アイリスプラザなどのネット通販事業の拡大」、「全国に9つある工場における物流量の増大への対応」などにより、業績が大幅に拡大。アイリスグループ28社における今年度の売上高見通しを、当初の6,000億円(前年比120%)から7,000億円(前年比140%)とし、1,000億円増の上方修正をしている。

これを受け、同社では21年度の新卒採用枠の大幅拡大を決定。当初より240名増の640名を採用する意向を示した。
アイリスオーヤマが2021年度新卒採用枠を大幅に拡大し、事業拡大とコロナ禍の雇用問題に対応。同時に通年採用の導入も
また、同社では今回の採用枠拡大に合わせて、日本経済団体連合会(経団連)が推進する「通年採用」を、2021年度入社向けの新卒採用より導入することも発表した。卒業時期が異なる留学生や、スポーツなどの課外活動のため就職活動の時期が遅れる学生に対しても柔軟に対応することで、多様な人材の確保を目指すという。刻々と変化する国内外のマーケット変化に対する迅速かつ柔軟な対応を行うべく、事業変革を進めていく考えだ。


コロナ禍で事業の縮小や業績悪化が懸念される企業が多い中、新たな需要に対し一早く対応することが、事業継続や従業員の雇用促進にもつながると言える。企業には、市場変化に対する柔軟な姿勢と対応が今後ますます求められるだろう。

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