コロナ禍での在宅勤務実施により、モバイルワークのメリットが顕在化
テレワーク普及が推進されるなか、カルビーは去る2014年より在宅勤務制度を開始。2017年には利用日数や場所の制限がない「モバイルワーク制度」を導入した。また、新型コロナウイルス感染症拡大にともない、2020年3月下旬以降、オフィス勤務者は原則在宅勤務体制へと移行し、社員をはじめとする「ステークホルダー」の安全・安心の確保を最優先事項に掲げ、取り組んできたという。その結果、感染防止効果とともに、「社員の通勤時間削減」や「新しいコミュニケーションスタイルの浸透(WEB会議システムの活用)」、「ITによる業務効率化(契約書の電子捺印や名刺の電子管理化等)」などのメリットが顕在化。オフィス勤務者を対象とするアンケートでは、「コロナ感染症拡大前の働き方を変えたい」との意見が回答者の6割以上から上がるなど、社内の意識も大きく変化している。
同社はこれらの効果を踏まえ、「Calbee New Workstyle」の導入を決定。これまで実施していたモバイルワークを基本とした働き方を、無期限で延長させた。
「Calbee New Workstyle」の導入による変更点は以下の3つが中心となる。
(1)モバイルワーク標準化とフルフレックス制の導入
これまでのオフィス勤務者は、モバイルワークを原則とし、オフィスへの出社は創造性や効率性の向上、直接の意思疎通が必要な場合となる。また、フレックス勤務のコアタイムを廃止する。これにより、出社率30%前後を目指す。
(2)単身赴任の解除
モバイルワークでの業務に支障が出ないと判断された場合は、単身赴任を解除。判断は所属部門が行う。
(3)通勤定期券代の支給停止と、モバイルワーク手当の支給
通勤定期券代に替えて、オフィス出勤時の交通費を出勤日数に応じて実費で支給。モバイルワーク手当を新設し、環境整備に必要な費用を一時金として一部補助する。
同社は全従業員が「圧倒的当事者意識」を持ち新しい働き方に取り組むことで、ステークホルダーに向けた価値創造を推進していくとしている。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続く中、「ニューノーマル」な働き方を推進する企業が増加している。従業員の安全と企業の存続をはかるためにも、企業それぞれの現状にあわせた、新しいワークスタイルを模索してみてはいかがだろうか。