外国人留学生のための就職情報サイト「リュウカツ」を運営している株式会社オリジネーターは、2019年10月5日に毎年秋に開催している内定者パーティーを開催し、「リュウカツニュースVol.3」として開催レポートを発表した。このパーティーには、同社のサービスを活用して内定を獲得した外国人留学生のほか、現在日本の企業に就職している外国人や、就職活動を始めようとしている外国人留学生など、合計60人が参加した。
2019年度卒の新卒採用、優秀な外国人留学生は売り手市場。留学生内定者調査より

内定を複数社獲得する留学生も。優秀な外国人材は引き続き売り手市場

国内の人材不足、企業のグローバル化や多様性の進展などから、優秀な外国人の採用に積極的な日本企業は増加傾向にある。オリジネーターが運営する外国人留学生のための情報サイト「リュウカツ」が調べたところ、同サイト登録者の内定獲得者数は、今年も順調に伸びていることが分かった。

その要因として考えられるのは、留学生向け就職支援に力を入れる大学が増加し、留学生が早期から情報を入手できるようになったことが挙げられるだろう。また、ITなどの技術系に至っては、企業での人材確保が困難な状態が続いており、国籍にこだわらず採用の枠を拡げていることも影響していると考えられる。特に東アジアの留学生を中心に、日本人学生と同じスケジュールで早期に動き、内定を複数社獲得、中には内定辞退をするケースも増えているようだ。

パーティーに参加した外国人留学生に、日本で働くことを選んだ理由などを聞いてみると、「母国との繋がりがあること」「未経験でも仕事に就ける」などの声が挙がった。一方で、「年齢だけで昇進させる年功序列制度に違和感がある」「IT業界では日本語だけでは情報収集に遅れを感じる」など懸念する意見もあった。

企業がグローバル採用を行う際には、「どのような目的で外国人を採用するのか」というポイントを明確にし、経営陣や人事関連部署だけでなく、現場も納得した上で進めていく必要があるだろう。さらに、求職中の外国人材に対しては、その採用目的を分かりやすく発信していくことも重要となる。採用後の定着に向けては、ビジネス日本語やマナー研修の導入、相談窓口の設置など、具体的な受け入れ態勢の整備も求められている。

企業においては、優秀な外国人材がより長く働きたいと思えるような環境を整えるために、客観的かつ透明性の高い評価基準を取り入れるなどの取り組みが必要となるだろう。

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