駐在員が抱く海外赴任の不安感
国が変われば、生活様式も変わる。ましてや家族も帯同するとなると、海外赴任に対する不安はより大きくなるだろう。本調査ではまず、「海外駐在の不安」について「労働環境」と「日常生活」の2項目に分けて質問している。20代では「海外での日常生活」への不安が大きく、それ以降の年代では概ね「海外での労働環境」への不安のほうが上回っている。しかし、40代後半になると再び「海外での日常生活」への不安のほうが大きくなることがわかった。海外赴任前のサポート体制の満足度は低い傾向
では、そうした不安を和らげるために、各企業は何かサポートを行っているのだろうか。「海外赴任前のサポートの有無および満足度」を尋ねると、「引っ越し関連」、「渡航先の情報提供」、「集合型研修(海外赴任前研修)」などのサポートは多いにもかかわらず、満足度は低い傾向にあることが顕著となった。家族帯同の場合、「配偶者のキャリア」や「子女教育」についての不安も
次に、より不安が大きいと考えられる家族帯同のケースを見ていこう。家族を帯同している6割以上の海外駐在員が、帯同家族の「赴任先言語の語学」や「子女教育」、「配偶者のキャリア」に関して不安を感じている。この結果は、各企業の渡航前のサポート体制が、こうした要求に応えられていないことを示唆している。海外での労働環境におけるストレスとは
家族も含め、海外赴任に関するサポートは十分とは言いがたい状況だが、具体的に海外駐在員はどのようなストレスを感じているのだろうか。「海外で働くという労働環境の変化で仕事にストレスを感じるか」という質問には、5割以上の海外駐在員が「感じる」と回答(感じる:18%/やや感じる:34%)。具体的には、「現地スタッフとの人間関係」、「時間外労働(日本との時差・ローカルスタッフは定時に帰り、駐在員への業務負担拡大・残業・休日出勤・呼び出しなど)」、「自身のキャリア形成」といったことが挙がった。海外赴任のストレスが家族関係に影響
「海外赴任のストレスが家族関係に影響しているか」と尋ねたところ、家族を帯同している約4割の海外駐在員が、何らかの影響を及ぼしていると回答した(影響している:11%/やや影響している:28%)。海外駐在員が活躍するためには、駐在員本人及び帯同家族の赴任前・赴任中・帰任後それぞれのステージにおいて、一時的ではない中長期的な充実したサポートがより一層求められるだろう。
※調査はすべて「駐妻cafe」調べ