私自身は2009年より縁あって母校の就職支援の仕事に関わることになったのですが、出口の支援だけではなかなかどうにもならないケースも多々あり、また学内の様々な方からお声がけをいただくこともあり、現在ではキャリア教育に関するいくつかの授業のコーディネートにも関わっております。今回は、その中のひとつで、キャリアデベロップメント実践という単位の中で実施している「課題解決型インターンシップ」についてご紹介したいと思います。
課題解決型インターンシップについてはご存知の方も多いかと思いますが、インターンシップ期間中に学生にその受け入れ先企業における経営的な課題を提示し、インターンシップで様々な就業体験をしながら、その課題に対する解決案をまとめ、インターンシップ最終日にその成果プレゼンを実施して終了というような流れになります。
第28回 課題解決型インターンシップについて
通常の課題解決型インターンシップは、数週間もしくは数ヶ月で実施しているところが多いようですが、本学では1週間で実施しています。また、高学年の学生を対象に実施する大学が多いようなのですが、本学では2年生を中心に受講しています。
 この単位を受講するには、「キャリアデベロップメント入門」(これも私がコーディネートしている単位です)の単位を取得することが必須になっております。この授業では主に、セルフマネジメントスキル(P-D-C-Aサイクルの自律的運用およびMBOの個人運用スキル)についての基礎を学ぶ内容になっております。簡単に言えば、セルフマネジメントスキルについて知識の習得をした後に、課題解決型インターンシップでその実践トレーニングを行うという構成になっているわけです。

課題解決型インターンシップについては、2年前から非単位のインターンシップとして私の会社(北陸人材ネット)で学生の受け入れを行っていたのですが、今年の前期(実際には夏季休暇期間中の9月)に初めて正課科目として実施いたしました。正課として実施すると成績評価が必要になります(当たり前ですが)。当初は受け入れ企業に学生の評価をお願いするつもりだったのですが、受け入れ企業側の負担がかかることと、評価基準を明確にすることが事前に十分にはできなかったために、今回は受け入れ企業ごとに実施される成果プレゼンをすべて私が立ち会って評価を行うというやり方で実施いたしました。

行うにあたって、企業ごとの課題内容のレベル差や発表内容のばらつきが大きく生じてしまうのではないかとかなり気にしていたのですが、その部分については問題ありませんでした。学生たちも課題に向けて真摯に取り組んでおり、発表時間の直前までリハーサルと資料の修正を何度も行っていたようです。少しでも良い内容にして仕上げたいというモチベーションが最後まで途切れることなく取り組めたのはとても良かったです。企業からもとても好評で「次年度以降もぜひ!」と言っていただいたことは、とてもありがたかったと感じております。

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