これからの日本のリーダーシップ開発のポイントは、「意図的」な変化を起こすこと
国内外で「人」に関する課題が上位に
湯本氏 今年で10回目となるグローバルで最大規模のリーダーシップ調査「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト(GLF)」をMSC(株式会社マネジメントサービスセンター)/DDIが実施し、世界50カ国以上、13,695人のリーダーと1,827人の人事担当者からの回答を得ました。それでは、どのような調査結果になったのかを今からお伝えします。まずは、一つ目の論点。日本と世界のリーダーシップはどう変化したかです。初めにグローバルのCEOにとって最大の課題は何かを見ていくと、トップ3は「優秀な人材の獲得と定着」、「次世代のリーダーの育成」、「エンゲージメントの高い従業員の維持」でした。やはり人に関する課題が上位に挙げられています。日本の人事担当者が選択したビジネスの最優先事項では、「組織の人材力強化」、「従業員のエンゲージメントの向上」の順。日本においても人に関する課題の注目度が高くなっています。
そして、人材を育てるためのスキルが今のリーダーにどれぐらい備わっているのか、どれぐらい自信を持っているのかを確認すると、「将来を担う人材を特定し育成する能力」に関して非常に優れていると答えた方は全体の10%。劣っている、またはある程度優れているという方が90%でした。人に関する課題が大きいものの、現在の日本のリーダーを見ていくと、育成する能力に自信を持っている方はまだ少ないといえます。
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