劇的に変りゆく外部環境に合わせて、いかに人材の成長を促進させ、組織力を高めていくか。これは経営層や人事にとって、大きな課題と言える。その解決の糸口になるのが、組織を率いていくうえで重要な「リーダーシップ開発」だ。本講演では、MSC/DDIが隔年で実施している世界最大規模のリーダーシップ調査「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2023」の調査結果をもとに、日本と海外を比較しながら、持続可能な組織をつくるうえで必要な日本の「リーダーシップ開発」のポイントについて解き明かす。
自発的成長に向けた日本における「リーダーシップ開発」の課題とポイント――世界最大規模のリーダーシップ調査から読み解く
加藤 寧利 氏
講師:

株式会社マネジメントサービスセンター 執行役員 加藤 寧利 氏

筑波大学第一学群人文学類卒業後、国内独立系コンサルティング・ファーム、大手求人広告会社勤務を経て、2008年より(株)マネジメントサービスセンターのコンサルタントとして活動。2021年に執行役員就任。専門領域は、ハイポテンシャル人材の選抜・育成、ミドルマネジャーのリーダーシップ開発。製薬、医療機器、電機、金融等の幅広い業界において、コンピテンシー・モデルの設計、リーダーシップ開発に向けたアセスメント・センターやトレーニング、行動変容のためのコーチングを提供する。
株式会社マネジメントサービスセンター

湯本 安岐予 氏
講師:

株式会社マネジメントサービスセンター コンサルタント統括本部 部長 湯本 安岐予 氏

大学卒業後、流通小売業を経て、2016年より現職。前職では加盟店の経営指導を行うスーパーバイザーや加盟店への教育・研修を行うトレーナー、営業計画の部署マネジメントなど多くの職種を経験。自身の2児の子育てをしながらのキャリア形成の経験の中で、女性を含め全員が成長し活躍できる組織の実現にミッションを感じ(株)マネジメントサービスセンターへ入社。現在は、金融、製薬、メーカー等の幅広い業界において、能力開発を目的としたアセスメント・センターやトレーニングを提供している。受講生に寄り添うことで気づきを与え、各個人にあわせた能力開発に繋がるトレーニングをモットーに活躍している。
株式会社マネジメントサービスセンター

これからの日本のリーダーシップ開発のポイントは、「意図的」な変化を起こすこと

国内外で「人」に関する課題が上位に

湯本氏 今年で10回目となるグローバルで最大規模のリーダーシップ調査「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト(GLF)」をMSC(株式会社マネジメントサービスセンター)/DDIが実施し、世界50カ国以上、13,695人のリーダーと1,827人の人事担当者からの回答を得ました。それでは、どのような調査結果になったのかを今からお伝えします。

まずは、一つ目の論点。日本と世界のリーダーシップはどう変化したかです。初めにグローバルのCEOにとって最大の課題は何かを見ていくと、トップ3は「優秀な人材の獲得と定着」、「次世代のリーダーの育成」、「エンゲージメントの高い従業員の維持」でした。やはり人に関する課題が上位に挙げられています。日本の人事担当者が選択したビジネスの最優先事項では、「組織の人材力強化」、「従業員のエンゲージメントの向上」の順。日本においても人に関する課題の注目度が高くなっています。

そして、人材を育てるためのスキルが今のリーダーにどれぐらい備わっているのか、どれぐらい自信を持っているのかを確認すると、「将来を担う人材を特定し育成する能力」に関して非常に優れていると答えた方は全体の10%。劣っている、またはある程度優れているという方が90%でした。人に関する課題が大きいものの、現在の日本のリーダーを見ていくと、育成する能力に自信を持っている方はまだ少ないといえます。
気になる続きは、下記をダウンロードの上ご覧ください!

  • 1

この記事にリアクションをお願いします!