今回は先が見えないVUCAと呼ばれる現代。起こりつつある変化と、今後起こるであろう予測を通して、人事の未来を考察していきます。
労働人口激減の時はすぐそこまで来ている
人手不足になる、労働供給が減少する、という話をみなさんも一度は聞いたことがあると思います。一度どころか毎日のように耳にして気を揉んでいるという方もいらっしゃるかもしれませんね。少子高齢化で生産年齢人口は間違いなく減っており、日本全体の大きな課題となっています。一方で、ここ5年10年を振り返ると、世間で騒がれているほどには労働力不足を実感していないかもしれません。実は、これまで「人生100年時代」や「ライフシフト」という言葉に代表されるように、定年を延長するなど、一人の働く期間を長くすることで労働力不足に対応していました。今は昔の感覚とは違って、50代60代でも若々しく、活動的に働いている方は大勢います。60歳で定年退職して後は余生という人生設計を立てる方も、ほとんどいないのではないでしょうか。
言ってみれば「延命措置」をしていたのですが、もう限界が来ています。定年延長以外にもさまざまな施策の掛け合わせでやりくりしてきましたが、いずれも根本的解決にはつながっておらず、いよいよひずみが出てきました。労働力不足が明るみになってきたのです。
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