「自分には価値がある」という思いが成果につながる
リーダーの立場であれば教育をします。教育というのは、「働きかける」ということですが、リーダーからの働きかけを受けて、部下が自分で判断し、自分で納得し、行動しなければいけません。多くの人はそういう過程をそれほど重視せず、部下を叱りつけたり、ほめたりすることで、操作して動かそうとします。しかし、そのような対人関係のあり方は、これからの時代に通用しないと考えています。なぜかというと、「人と人の関係は対等だから」です。これは言ってみれば当たり前の話です。上司と部下の関係も対等だということをしっかり押さえておかなければ、対人関係を損ねてしまいます。アドラーは、教師と生徒の関係について厳しいことを言っています。「私は生徒の能力、無能力というものを信じない。あるのは教師の能力、無能力だけである」。部下が成績を上げられないとすれば、それは教育者として上司が役割を果たせていないからである、という意味です。上司と部下は役割が違うだけであって、人間としては全く対等の関係であるということを、アドラーは基本に置いています。
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