「パーパス」を起点とする「新たなSDGs」が30年後の経営を支える
今日は、「パーパス経営」について3つのお話をさせていただきます。まず、なぜ今「パーパス経営」が大事なのか、についてです。20世紀には、「ミッション(使命)」・「ビジョン(構想)」・「バリュー(理念)」という言葉をよく使っていました。それが、21世紀になって、「パーパス(志)」・「ドリーム(夢)」・「ビリーフ(信念)」という言葉に変わってきていると思っています。「ミッション」などは、外部から与えられたものです。それに対して、「パーパス」は自分の内側から湧き上がってくるもの。志に基づく内発的なものであるという点が大きな違いです。現在の環境は、以前よりさらにSDGsを意識しなくてはいけない状況となっています。SDGsは、2030年までに答えを出さなければいけない大きな社会課題です。それは重要なことですが、2030年でSDGsに関する活動が終わるわけではなく、むしろ、今から30年ぐらい先となる2050年を見通して、そこに向けて新しいSDGsが必要になるというのが私の考えです。
Sは「サステナビリティ」ですが、今のSDGsの17の目標は「規定演技」であり、「自由演技」となる18番目の目標を打ち出すことが大事になってきます。それからDは、「デジタル」と読み替えています。サステナビリティに本気で取り組もうとすると、どうしても先行投資が必要ですので、利益を毀損してしまうことになります。従って、イノベーションを埋め込まないと上手くいきません。その1つのキーツールとして、デジタルがあります。D(デジタル)を駆使してX(トランスフォーメーション)することが大事になってきます。デジタルによる業務や経営の変革は、サステナビリティと対をなすことであり、この2つがないと未来は作れません。Gは「グローバルズ」と読み替えています。複数形にしているのは、世界が今、新型コロナウイルスや米中貿易摩擦、ウクライナ侵攻などで分断されているからです。そこをもう1回、再結合させる必要があります。これらの真ん中にあるのが、「志(パーパス)」であり、それを起点にSとDとGが回って、2050年以降、21世紀の後半を作っていくと捉えています。
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