講師
松岡 仁
ProFuture株式会社 取締役 / HR総研 主席研究員
1985年大学卒業。文化放送ブレーンで大手から中小まで幅広い企業の採用コンサルティングを行う。ソフトバンクヒューマンキャピタル、文化放送キャリアパートナーズで転職・就職サイトの企画・運営に携った後、2009年より現職。各種調査の企画・分析を担当し、「東洋経済オンライン」「WEB労政時報」に連載中。
久木田 亮子
ProFuture株式会社 HRサポート部 / HR総研 主任研究員
2009年建設系企業に入社。研究開発および設計職に従事。2015年以降、シンクタンクにて地方創生に関する幅広い分野で調査研究を行う。2019年にHR総研(ProFuture株式会社)主任研究員に着任。人事関連分野に関する幅広い調査・分析を行う。企業動向だけでなく、新卒採用においては就活学生を対象とした調査の設計から分析までも担当する。
【2021卒採用動向総括】採用計画は「増やす」割合がさらに減少
【図表1】
中堅企業では8割がインターンシップを実施
続いてはインターンシップ関連の調査です。インターンシップの実施については、全体では62%で昨年と変わりはありませんが、中堅企業において実施する割合が伸び、8割の企業が実施しています。ただ中小企業においては未だ実施している企業が半数未満であり、大企業と中小企業とでは温度差が見られます。ではインターンシップの参加者の増減についてはどうでしょうか。「前年並み」と答えた企業が約6割、「前年より多い」と答えた企業が約3割となっており、これらを合計すると「前年並み以上の参加者があった」とする企業の割合が約9割を占めています。昨今は1DAYタイプのインターンシップが増えてきており、学生もより気軽に参加しやすくなっている状況が、参加者の増加に繋がっていると考えられます。
学生がインターンシップに参加した企業の数について見てみます(図表2)。まず文系では、「7社以上に参加した」とする学生の割合が増加傾向にあり、特に10社以上に参加したという学生が年々大きく増加。また理系では4社以上の企業に参加している学生が増加しております。このデータから、学生は参加したインターシップの内容を比較しているという状況が想定されますので、企業としては、「内容が問われている」ということを意識しながら実施する必要があるでしょう。
【図表2】
【図表3】
では、インターンシップに参加した学生に対し、企業がどのようなフォローを実施したのかを見てみましょう(図表4)。昨年と同様に文系・理系ともに「早期選考会の案内」が断トツで、理系では7割以上となりました。プレエントリーを免除し、選考に直接繋げている実態が垣間見えます。逆にインターンシップの選考に落ちてしまった学生に対して、企業からどのようなフォローがあったのか聞いたところ、「特にない」が最も多く4割以上、次いで「プレエントリーの受付の開始案内」が3割強となりました。インターンシップの選考については、採用の選考よりも枠が少ないという企業が多いと思われますので、優秀な学生であっても参加できない状況が発生しているかと思います。ただ、そこで採用選考への応募に対して諦め感を持ってしまう学生も少なからずいると思いますので、インターシップから外れてしまった優秀な学生に対しては、企業は適切にフォローしていく必要性があると思います。
【図表4】
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