講師
服部 泰宏氏
神戸大学 大学院経営学研究科 准教授
神戸大学大学院経営学研究科准教授。神奈川県生まれ。国立大学法人滋賀大学専任講師、同准教授、国立大学法人横浜国立大学准教授を経て、2018年4月より現職。日本企業における組織と個人の関わりあいや、ビジネスパーソンの学びと知識の普及に 関する研究、人材の採用や評価、育成に関する研究に従事。2010年に第26回組織学会高宮賞、 2014年に人材育成学会論文賞などを受賞。
採用の世界で今起こっていることとは?
採用が変わる、変わり始めているのは事実です。その「変革」の意味を、これから解説させていただきたいと思います。私は最近、地方都市の企業の経営者とお話しさせていただく機会があるのですが、その際によく考えることがあります。それは、東京や大阪などの大都市に出た社会人の方々が地元に戻るためのインターフェイスとして「良い採用」が機能することがある、ということです。そのため、地方企業は個としてではなく、県や市町村といった地域単位の集合体として「採用のブランド力をいかに高め、地元に優秀な人材を招き入れるか」を真剣に考えています。採用が、企業にとって現実レベルでかなり大きな影響力・ポテンシャルを持った取り組みになりつつあるのです。今回はそういった話を各種データに基づいた具体例から考えてみましょう。
国内の採用、特に新卒採用の分野では、数年前から求職者の動きが多様化しています。中でも下図のような『①ナビサイトを使わずに就職活動を展開する層』、『②ナビサイトを使った一般的な活動をするが、就活の動き出しが早く、自分から積極的に動く層』などが増えているのが特徴です。もちろん『③ナビサイトを使った一般的な活動を周囲と同じようなタイミングで行う層』も、変わらずマジョリティとして存在しています。
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