第8回 日本HRチャレンジ大賞『採用部門優秀賞』
株式会社ベルシステム24
同業他社が採用を見送る人材を積極的に受け入れ戦力化する、プレトレーニングスキームを具現化した『SUDAchi(すだち)』の開設・展開
求職者のスキル・経験をカウンセリングし、個々人に応じた育成方針と研修メニューを作成し、有給で現場配属前にメンターによる教育研修を実施することで、同業他社が採用基準未達により不採用とする人材を積極的に採用するスキームは、人材不足解消と人件費高騰を抑制する取り組みであると評価されました。ゲスト
太刀掛直紀 氏
株式会社ベルシステム24
1997年、株式会社ベルシステム24入社。中国エリアや首都圏エリアでのオペレーション現場のマネジメント職を経て、2012年に北海道支店長就任。2016年より北海道、東北、九州、沖縄などのエリア長を兼務したのち、2017年より現職。現場運営部門の人材採用、教育・育成に取り組む。
執行役員 HR本部 副本部長
田中崇 氏
株式会社ベルシステム24
2005年、株式会社ベルシステム24入社。人事・採用企画、業務改善部門、WFMの導入・構築などを経て、2015年より首都圏エリアの採用部隊のマネジメントに従事。2017年にプロジェクトリーダーとしてSUDAchi施策の企画・構築に参画。2019年より現職。
HR本部 FHR部 拠点連携管理局 SUDAchi運営推進グループ マネージャー
採用基準未達の人材に光を当て、商機と可能性を引き出す
――御社が「SUDAchi(すだち)」を立ち上げた背景を教えてください。太刀掛直紀氏(以下、太刀掛) 「SUDAchi」とは、同業他社において「スキルや素養、経歴が採用基準に達していない」などの理由で採用が見送られた人材を獲得し、就業できるレベルにまで育てることを目的としたプレトレーニングスキームのことです。2017年に池袋の第1ソリューションセンターからこの施策をスタートしました。
「SUDAchi」を立ち上げようと思ったきっかけは、深刻な人材不足にあります。当社はこれまでメイン事業であるコールセンターの業務にマッチする人材を主に採用していたのですが、同時に今後は人材確保が厳しくなるのでは、という危機感も抱いていました。そこで、業務スキルは当初求めるレベルでなくとも、就業を希望する方々に目を向けました。彼、彼女らが戦力として成長し、活躍してくれたら、将来にわたって人材不足を解消できるのではと考えたのです。また人材不足に悩む他の業界にも、この仕組みで人材を確保し、継続して働いてもらえることができれば、新しい事業の一つになるのではと思いました。
――どのような経歴の方を「SUDAchi」では受け入れているのですか。
太刀掛 日本人は電話対応に対する要求が高く、礼節に留意した敬語ができることが最低でも要求されます。そのため、コールセンターでの就業経験がない場合、対面営業などの接客経験者の採用が主となっていました。それが「SUDAchi」では、敬語が使いこなせることやタイピングスキルなどを問わず、長時間労働未経験の若年層や、体力的な限界を感じて屋外の仕事よりデスクワークを希望する方を中心に採用しています。話すのが苦手という求職者も少なくありません。
また、外国人労働者や観光客向けの問い合わせ窓口もニーズが増えているため、中国や韓国、アメリカ出身の在日外国人など、マルチリンガルな対応ができる方も採用しています。日本語能力が不安な場合は、研修でフォローしています。
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