第8回 日本HRチャレンジ大賞『人材マネジメント部門優秀賞』
株式会社はたらクリエイト
【パートタイマーをキャリアステップに】地方で子育てや介護をする女性の働き方の多様性を広げ、主体的にキャリア選択・再構築していける仕組みづくり
ライフステージに合わせて雇用形態を選択できるとともに、フレックスタイムや在宅勤務を認める制度は、結婚・出産・夫の転勤等を機にキャリアが途絶えた女性に向けて、キャリアの選択肢を増やし、再構築できる状況を可能にする取り組みであると評価されました。ゲスト
高木奈津子 氏
株式会社はたらクリエイト
1989年富山県生まれ。東京の人材総合会社にて、求人広告の法人営業を経て女性やエンジニアに特化した転職フェアの企画・運営を経験。「地方の人材を活かす場をつくりたい」という思いから2015年に長野県上田市に移住し、女性向けコワーキングスペースHanaLab.UNNOの立ち上げに携わる。その過程ではたらクリエイトを立ち上げ、取締役に就任。現在は受託業務のコンサルティングや、働きがいを見出すためのフォロー・制度構築を行う。
取締役・キャリアコンサルタント
地方在住の女性たちが家庭と両立して働ける場所を創出
──今回の取り組みは、「はたらクリエイト」の事業の仕組みそのものだと思います。内容について紹介いただけますか。高木奈津子氏(以下、高木) 当社では、「“はたらく”をクリエイトすることで、仕事を楽しむ人を増やす」ことをビジョンに掲げ、長野県上田市と佐久市でクライアント企業から請け負った仕事を行うリモートチームサービス「hatakuri」を運営しています。
現在、2拠点ではたらく女性は計80名ほどです。子育てや介護などの家庭と両立して働けるよう、自社で1~3歳までの子ども対象の託児所を運営する、当月内で時間をやりくりできるフレックスタイム勤務を導入する、といった制度・環境を整えています。
基本的には拠点への出社を推奨していますが、3ヵ月以上勤務し、一定のスキルを習得したスタッフは、業務内容に応じて在宅勤務も承認。家族の看病や介護を担っている人が利用しています。また、何らかの事情で辞めざるを得なくなった人との関係も大切だと考えているため、再び働ける状況になった際に戻ってこられる「カムバック制度」も設けました。
スタッフのスキルも、「hatakuri」を立ち上げた2年前から大幅に向上しました。現在では、「はたクリ(はたらクリエイト略称)さんにお願いしたい」という声をいただけるようになり、クライアント企業にも喜んでいただけています。
リモートで仕事を行う上で意識しているのが、仕事内容だけでなくクライアントの抱える課題感などをスタッフに共有することです。自分が担当する案件がなぜ必要なのか、解決したいと思っている課題は何なのかを理解することが当事者意識を生み、モチベーションを高めます。リモートワークでは、請け負った仕事がただの作業になってしまった結果、質が低下することもあるので、仕事の先にあるクライアント企業の状況を想像できる力を身に着けてもらいたいと考えています。
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