この課題を解決すべく、株式会社パソナテキーラ※は海外駐在員のトータル管理機能を搭載したクラウドサービス「AGAVE」を開発、提供している。今回、実際にAGAVEを導入して海外駐在員管理を行っている株式会社ダイセル様に話を伺った。
―――今回お話を伺った方―――
株式会社ダイセル
事業支援センター 人事グループ グローバル人事チーム
安本 健作 氏
―――企業情報――――
設立:1919年9月8日
従業員数:連結12,309名(2018年3月31日現在)
売上高:4,629億5,600万円(2018年3月期)
※取材時(2018年10月)のもの。現在の社名はサークレイス株式会社です。
世界各地の拠点に約100名が駐在 「属人的」で「非効率」な管理が課題
――ダイセル様の事業内容を教えてください。安本 当社は1919年に、セルロイドの製造からスタートしました。現在は、セルロイドを応用した4つの事業を展開しています。具体的には、タバコフィルター用アセテート・トウなどを製造する「セルロース事業」、繊維や化粧品の原材料を製造する「有機合成事業」、自動車、家電製品などに使われるエンジニアリングプラスチックを製造する「合成樹脂事業」、自動車エアバッグ用インフレータなどを製造する「火工品事業」です。
――ダイセル様は、海外売上が全体の50%を超えるグローバル企業ですね。海外展開の状況と、駐在員の数について教えてください。
安本 アジア、欧州、北米など世界各地に拠点を構えています。グローバルでグループ会社は約80社、海外駐在員数は100名ほどです。
――AGAVE導入前は、海外駐在員の管理についてどのような課題を抱えていらっしゃいましたか?
安本 管理が「属人的」、「非効率」だったことですね。
以前は正社員1名、派遣社員1名の合計2名で管理を行っていました。実務を担っていたのは派遣社員さんで、赴任前の手続き、経費精算や申請、帰任手続きなど一連の業務を一手に担ってもらっていました。しかしながら、管理はExcelベースで、やり取りはメールが主体です。そのため、細かな進捗はその担当者しか把握できない状況でした。また、国ごとの対応の違いや、経費払い出し対応など、この業務にはノウハウが必要です。そのノウハウが、契約終了とともに入れ替わる、派遣社員に蓄積されていることに危機感を抱いていました。“職人芸”に支えられているような状況だったのです。
そんな背景から、情報やプロセスを一元管理し、管理業務を「属人的」「非効率」だった状態から、「標準化」「効率化」できるシステムの導入を検討することになったのです。