メンターと学生の関係はフラット
─ メンタリングをするときに、特に力を入れていることや工夫していることはありますか?玉城:これは結構メンターによって変わるのですが、私はもうそのまま体当たりスタイルです(笑)。さっきお話ししたように、ちょっと小手先に走ったりだとか格好つけたりしていたら率直に指摘しますし、自らも率先して自分の弱さを開示していくことで、チーム全員が自身にもメンバーにも向き合えるムードをつくっていきます。なんなら業務全部投げ捨ててインターンにコミットしているので、「みんながこれくらいの頑張りだったら、私も何も得られないからもうメンターやめたい」みたいなことも伝えますね(笑)。
─ そこ、おもしろいですね。フラットなんですね。自分も学びたいんだという。上と下にじゃなくて、同じ土俵に立って真正面にぶつかるからこそ「すごくコミットしてくれている」と伝わっているように感じます。
玉城:はい。インターシップ終了後には、メンターと学生の垣根がなくなり、一つの最高なチームが出来上がっていることが非常に多いです。純粋に人と人との関係性ができるので、社員と学生という関係ではなくなるんですよね。学生さん同士も、「5日前に初めて会ったんだっけ!?」ぐらいの感覚になっていて。
「今まで生きてきた中で、こんなに本気になって熱くなれたのは初めてです」って学生に言ってもらえるような5日間にすることが、一番意識していることです。
─ 立場を越えていますよね、お互いに。ほんとに簡単なことではないと思います。ちょっと話は変わるのですが、このインターンで出た事業案が、実際に事業化された実績はありますか?
秋山:社内でのチャレンジはないですけど、参加してくれた学生が私たちのインターンで発表してくれた事業プランで起業したケースはあります。入社はしていないですけど(笑)。
─ (笑)でも、それってすごく嬉しいですよね!
秋山:私たちとしても、めちゃくちゃ理想だったりします。ネットプロテクションズに入ってもらうためだけにやっているわけではないので。もちろん、結果的に採用につながったらうれしいです。ただ、そもそも就活って自分のやりたいことをできる環境を探すことだと考えているので、「やりたいことができる会社があればそこに入り、無いのなら自分たちでつくってしまえばいい。それだって就活だよね」ということをもう一回捉え直してほしいなと思っています。
─ おっしゃる通りです。自由であるべきですよね、もっと。
あと、優勝したら豪華ディナーがあるんですよね?それを楽しみにがんばったという口コミもあったのですが、実際どんなお店に行くんですか?
玉城:それは学生に聞いて決めますね!肉がいいのか、寿司がいいのか、とか。
─ なるほど!あえて決めておかないんですね!たしかに自分たちの食べたいものが食べられるなら楽しみも増しますね。ディナーには柴田代表も?
玉城:昔はそうでした。でも、今はメンターとメンバーだけで行っていますね。
秋山:「社長と行ける豪華ディナー」っていう賞品でやっていましたが、どうやら「社長と行ける」は学生のモチベーションになっていないようで(笑)。一緒に戦ったメンバーと祝杯をあげたいという気持ちの方が断然強い。「よし!みんなで肉だー!!」みたいな感じで(笑)
─ 戦の後に飲む仲間とのビールはほんとおいしいですからね(笑)。実は「かなりインターン後もフォローしてくれる」、「就活のコーチングをしてくれる」と口コミが多数ありました。
インターン後に参加学生とどんなコミュニケーションを取っているか、可能な範囲で教えていただけますか?
玉城:インターン終了後も、メンターは引き続き、学生さんの就活全般におけるメンターとなっていくイメージです。インターンを通じて、メンターは学生とある意味友達や仲間のような存在になっているので、何をするか何を話すかは完全にメンター任せです。
秋山:本当にネットプロテクションズの社員としてではなくて、一個人として相談に乗っているような感じです。結果的にネットプロテクションズに入らなくても、行きたいところに行けたら、「やったじゃん!!」みたいな感じになっていますね。学生からも、「ちょっと相談に乗ってください」と気軽に言える存在ですし、メンター自身も学生に思い入れがあるので。
何より「ネットプロテクションズのリクルーターとしてやってください」では、メンバーもやらされ感が出てしまいますし、それは学生さんのことを考えてもやるべきではないと考えています。
玉城:「うちに来いよ」みたいなコミュニケーションは基本的にとらないですね。
─ 御社のインターンに参加すれば、それこそ選考が有利になるかは別として、就活のコーチというか、良き相談相手が見つけられるということは学生にとっての大きな魅力ですね。
どんなに優秀な学生でも就活では迷いますもんね。相談できる先輩社会人がいて、かつ一緒に大きな壁を乗り越えた方となれば、当然本音で語り合える。もう絶対いいですね。
秋山:もしかしたら、今回の「メンターのコミット部門 第1位」という評価も、インターンだけではなくて、その後の関わり方も含めて、評価してもらえているのかもしれません。