経営層の覚悟と全社員の意識改革こそが、「働き方改革」成功の秘訣

働き方改革に立ちはだかる企業の文化・風土の改革は一筋縄ではいかないが、経営層がコミットし、経営にかかわる重要な事項としてトップダウンで始めることが出来れば、ボトムアップより少ない苦労で進めることができる。

経営陣の意識を変えるためには「メリット」の提示をする必要があるが、そのためには残業時間の現状、育児休暇後の女性の復職率、キャリアアップの状況、介護休暇取得者の状況と隠れ介護の可能性などについて調査をする必要がある。その中で特に重要なのが、離職率に大きな影響を与えるも実態が把握しにくい、隠れ介護の可能性だ。この調査方法としては、両親が75歳以上の社員の状況を洗い出したうえで、経営危機に陥ることもあり得ることを示し、かかる経費を計算すれば稟議に必要な項目が揃ってくるので、参照いただければ幸いである。

それでも全体の1割から2割くらいは変わることを受け入れることができない抵抗勢力が現れるだろう。特に今までの仕組みのマイナーチェンジではなく、新しい仕組みを導入するならなおさらだ。
このような育児・介護は関係ないと興味を示さない抵抗勢力に対しては、自分ごとになるよう意識改革を促す教育が必要である。

これまで多くの働き方改革における課題と解決策をご紹介してきたが、2020年に政府が掲げるKPIに到達するためにはカンフル剤が必要で、1にも2にも意識改革なのである。KPIのために改革をするのではなく、企業としての方針を確立させたうえで、働き方改革に取り組むことが重要だ。そのためには経営層の覚悟と、全社員の意識改革を成し遂げることこそが成功の秘訣なのである。

最後に、働き方改革は企業のためだけではなく、従業員のためのものであることを理解した上で推し進められる事を切に願いたい。

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