“企業としての哲学”を持ってハラスメント対策に臨む

諏訪氏:ハラスメントに関して、日本では包括的な議論が見られません。何故なのでしょうか。

日原氏:一つには、和製英語が好きでいろいろな言葉が出来てしまったということがあり、言葉が出来て認識されて裁判等で問題になったことを別々の法律に次々立法してきた結果、今のような状況にあるといえるかと思います。

諏訪氏:企業としては、経営哲学を持つことが重要です。個々の法律規定をクリアするだけではなく、「何が根本の原因なのか」、「自社はどう考えたらよいか」を突き詰めることですね。この哲学が、他国と比べてズレている気がします。ハーバード大学のメアリー・C・ブリントン先生も、日本人が従来からの「規範」に縛られ過ぎていて、それがハラスメントを深刻化させる原因の一つだと指摘しています。最後に、企業に何かアドバイスをいただけますか?

日原氏:諏訪先生のおっしゃる通り、哲学や広い視野を持ち、背景にも目を配ることが重要です。法的義務だけにこだわらずに、従業員が働きやすい職場環境をどう作るかを考える必要があります。

諏訪氏:企業としては、単にハラスメントを起こさないだけでなく、「どうしたら気持ち良く働ける職場を作れるか」、「いかに生産性の高い働き方をしていくか」など、まさに働き方改革の次のバージョンを目指していく必要があると思います。日原先生、今日は有益なお話をありがとうございました。

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