・人員が足りない
・業務の繁閑が激しい
・予定外の仕事が突発的に発生する
・仕事の締め切りや納期が短い
・顧客からの不規則な要望に対応する必要がある
従業員側からみるとどうだろう。
残業をすれば、残業代が出る。つまり、「ながら残業」をすれば手取りが増えるのである。
その結果、子供にお金がかかるから残業しよう、大きな買い物をしたから残業をしてお金を稼ごうといったアルバイト的に生活残業をする者も出てくる。
以下は心理的な側面から見た、残業がなくならない理由である。
・周りが帰らないから帰ったら仕事ができないと思われてしまう
・上司が帰らないから帰りづらい
・どこまで働いたら評価されるかわからないから残業を止められない
だが、長時間労働が続けば、精神的にダメージを受け、結果メンタルヘルス不全に陥ってしまうこともあるだろう。
残業発生の本質的な原因を撲滅させるには、法令や制度に頼るのではなく、管理職のマネジメント、社員の仕事の仕方など、意識改革、コミュニケーションスキルの向上が必須である。風土や文化、組織としての体質改善や生産性を高めながら解決に導くことが必要だ。
すなわち、「働き方」を見直し、単位時間生産性の向上を実現し、その結果として長時間労働を削減するのがベストな方法だ。
また、長時間労働対策においては、当然ながら業務の棚卸や、仕事の仕方の見直しなど一般的な対策も必須である。これは、テレワークをするためにも必要な対策のため、ここを改善するとテレワークの労務管理の見える化と人事評価の課題の多くを解決できる。
最後に、国の取り組みについてご紹介する。
現在、平成18年に改正された「労働時間等設定改善法」に基づき 、事業主や労務担当の皆さんからの労働時間を中心とした各種相談に応じてアドバイスや指導を行う『働き方・休み改善コンサルタント』が、各都道府県の労働局に配置されている 。
特に、長時間労働に陥っている職場においては、事業主が「働き方」のほか、休日や休暇を労働者の生活ニーズにより適合したものに改善していくという、「休み方」に重点を置いた総合的な改善ができるよう、『働き方・休み改善コンサルタト』がその活動を支援している。
これは、社労士の資格を持ち、経営コンサルの経験もあるスキルの高いコンサルタントが無料で訪問し、そのコンサルを受けられるというものもある。とりあえず何とかしたいけどお金はかけられないという企業は、お近くの都道府県労働局に相談してみるのも一考である。
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