【2017卒就活生が選んだ「ブラック企業の特徴」】
就活生が考えるブラック企業の1位は、「残業代が支払われない」(907票)である。選択肢にある「残業が多い」は圏外(9位・436票)に留まったのに対し、残業が支払われないことに対しては、ほぼ9割の就活生が“ブラック判定”を下した。
2位は、「パワーハラスメントが多い」(674票)。パワハラとは、職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為のことだ。新入社員は、職場で最も下の立場になるので、当然気になるのだろう。
3位は「離職者が多い」(649票)。特に就活生が気にするのは、入社から数年の離職者数。離職者が多いということは、その会社の労働環境が悪かったり、不満を持つ社員が多かったりと考えられるからだ。就職指南書でも、この数字を注意して見るようにアドバイスしているものが多い。
4位は「ペナルティがある」(583票)。バイトの遅刻や欠勤でペナルティを課された事件があったことも影響してか、就活生はペナルティに敏感だ。
5位は「セクシャルハラスメントが多い」(561票)だ。セクハラに対しては、投票しているのは圧倒的に女性が多いのかと思いきや、調査結果では女性の62%、男性の44%が投票していた。半数近くの男子学生が「セクハラはブラック」と感じているのだ。セクハラがある職場は、男性にとっても不快だということだろう。
6位は「勤務時間管理がされていない」(557票)。1位の「残業代が支払われない」に通じる「きちんとしていない会社」と感じる要素と言えよう。
7位は「休日出勤が多い」(515票)だ。休日出勤が多くなるのは、業種によるところが多いかもしれない。もともと、土日祝を出勤日としている職種は別として、勤務日が平日なのに、土日祝に出勤しなければならないことに違和感を感じるのだろう。平日の残業では業務がまかないきれず、休日に出勤せざるを得ないとなると、残業時間も多くなる。過重労働に対して、就活生は拒否感がある。
8位は「宗教色が強い」(457票)である。何をもって宗教色というかは個人個人の感じ方によるところが多いと思われるが、社員が何か一つの考えに染められているようなところに対しては、ネガティブな印象をもっているようだ。
9位は「残業が多い」(436票)。1位が「残業代が支払われない」(907票)に対して、単に「残業が多い」だけでは約半数の就活生がブラックだとは決めつけていない。1位と9位の差となったのは、「残業があってもよいが、その分は支払ってほしい」という気持ちの表れなのだろう。
10位は「ノルマがある」(339票)で、得票数は4割を切っている。ノルマという呼称に、ネガティブな印象を持っているのかもしれない。会社内では、予算や目標などとも言われるが、どんなビジネスでも数字をもっているもので、そうしたものが無い仕事の方が少ないぐらいだが、学生にはノルマという言葉がブラックに感じるのだろう。
11位は「平均勤続年数が短い」(325票)、12位は「ワンマン経営者である」(213票)、「13位が「管理職に権限がない」(116票)となっている。
ブラック企業と言われないためには、未払い残業を無くし、パワハラ・セクハラを無くし、若年離職者を低減するといった企業努力が必要だ。「働き方改革」にしっかり取り組んで、就活生にブラックと烙印を押されないよう、努めていきたいものである。
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