4R(ヨンアール)とは、人事、広告宣伝、経理財務、お客様相談室といった、比較的女性の多い4つの部署のことをいいます。
それぞれ英語でHuman resources、Public relations、Investor relations(正確には投資家向け広報活動)、Customer relationsと、すべてに「R」が入っていることから「4R」という呼び名が生まれました。これらに、秘書(Secretary)と受付(Reception)を加えて6Rと呼ぶこともあります。
これらはすべて内勤で、危険な作業はまずありません。また、転勤も比較的少ない部署です。企業として女性に配慮した結果、このような配属が多くなったということでしょう。
女性が多いことで生じるメリットもあります。女性同士で気兼ねなく仕事を教えることができるので、そのぶん効率的な人材育成が可能になると言えます。
しかし同時にデメリットもあります。これらの部署には、当然、男性もいます。彼らのほとんどは人事異動によって4R以外の部署も経験します。
たとえば、人事から異動し、また戻って、人事のエキスパートとして活躍することになるにします。この場合、何年か営業や製造の現場を経験し、知識や視野、人脈を広げる機会が与えられたとも言えます。特に営業や製造といった、利益を直接生み出す現場での経験は大きいでしょう。
それに対して女性の場合は、異動があるにしても4R内が多く、なかには他部署への異動がなく、人事なら人事でずっとキャリアを積むというケースも多いようです。
その結果、30歳をすぎて係長などのマネジメント職に昇進する頃には、同じ年代の男性社員との間で、知識・経験などでギャップが生じ、苦労する女性が少なくないようです。
女性の活躍推進は多くの企業で進んでいますが、さらにきめ細かな対応が必要なのではないでしょうか。