クロス・マーケティングは2019年5月、「働き方改革に関する調査」の結果を発表した。今年4月より働き方改革関連法が順次適用となり、その一環として「年次有給休暇の5日以上取得必須」や「時間外労働の上限規制」などの制度が加わったが、実際に働く人たちはこれらをどう受け止めているのだろうか。全国に住む18~59歳の働く男女に調査し、その実態を探った。実施期間は2019年4月19日~4月21日。
働き方改革に関する調査で、休暇制度などを利用している人ほど会社に対して前向きなことが判明

働き方改革に伴う各制度の認知度および利用経験を尋ねたところ、ともに高かったのは「年に5日以上の有給休暇取得」(用意されている:44.1%/利用したことがある:30.9%/1年以内に利用したことがある:27.4%)、「ノー残業デー」(用意されている:27.3%/利用したことがある:19.7%/1年以内に利用したことがある:17.4%)、「時間有休制」(用意されている:19.5%/利用したことがある:12.3%/1年以内に利用したことがある:10.4%)となった。

また「短時間勤務」の項目は、「利用したことがある」が4.8%、「1年以内に利用したことがある」が3.6%と利用者こそ少なかったものの、「用意されている」と答えた人は22.1%にのぼった。育児中や介護中など利用する状況が限られる制度だが、対象になるかならないかに関わらず、広く認知されていることがわかる。
働き方改革に関する調査で、休暇制度などを利用している人ほど会社に対して前向きなことが判明
続いて、制度により働き方が変わることで、会社の業績や自分のモチベーションに変化があると思うかを質問。「1年以内に制度を利用した人」と「制度を利用していない人」の回答を比較した。その結果、「業績が上がると思うか」(1年以内に制度を利用した人:35.2%/制度を利用していない人:21%)、「会社に貢献したい気持ちが増えると思うか」(1年以内に制度を利用した人:44.2%/制度を利用していない人:26.1%)、「働き続けたいと思うか」(1年以内に制度を利用した人:52%/制度を利用していない人:31.1%)のいずれの質問においても、「1年以内に制度を利用した人」のほうが「はい」と答えた率が高く、会社に対して前向きなことが判明した。このことから、会社側が制度を使いやすい環境を整えることで、従業員の定着度や貢献度などを上げられると言えそうだ。
働き方改革に関する調査で、休暇制度などを利用している人ほど会社に対して前向きなことが判明
最後に「制度を利用して自由な休暇が増えたら何をしたいか」と聞くと、「1年以内に制度を利用していない人」の回答は「旅行などで遠出をしたい」という意見が最も多く、日常から離れたいという願望がうかがえた。会社が休暇取得を推奨し、従業員が仕事とプライベートのメリハリをつけられるようになれば、より集中した働きが期待できるかもしれない。
働き方改革に関する調査で、休暇制度などを利用している人ほど会社に対して前向きなことが判明

この記事にリアクションをお願いします!