オウケイウェイヴ総研は2019年4月3日、日本全国の会社員1,000名を対象に実施した社内業務に関する調査結果を発表した。会社員が調べものに費やす時間は1日平均1.6時間で、この分の人件費を合計すると日本全体で1,057億円に達するという。
そして、調べものに時間を取られてしまっていると思う会社員(「とても思う」と「そう思う」の合計、下左の円グラフ参照)は全体の62.9%を占め、その中でも仕事上の調べものによって時間を取られることにストレスを感じている(「とても感じている」と「やや感じている」の合計、下右の円グラフ参照)会社員は75.9%にも達することが判明した。
調べものに時間を取られてしまう理由についての考えを尋ねたところ、57.6%が「新しい知識を多く必要とする業務のため」、56.4%が「知りたい情報が一箇所にまとまっていないため」と回答している。また、32.4%が「知りたい情報がどこにあるか把握できていないため」という理由を挙げている。
仕事で調べものをするために職場に望むこととしては、「社内ツール・システム関連の整備(34.3%)」「社内の情報共有体制の整備(34.0%)」「情報収集の時間(24.3%)」という回答が上位を占めた。
今回の調査結果について、慶應義塾大学大学院経営管理研究科 特任教授の岩本隆氏は、「『生産性=付加価値÷時間』と考えることができる。生産性を高めるには、分母である時間をゼロに近づけていく必要がある」とコメントしている。
さらに、「自社のすべての業務を見直して、AIやIoT、ロボットなどの先端技術を活用した方が高い生産性を期待できる業務と、人間が担当した方が高い付加価値を生み出せる業務を見極め、最適な形で役割分担すべきだろう」とも語っている。