■地元で働きたいか?
●一都三県以外の地元に住む学生(※n=506)<働きたい67.0%><どちらとも言えない21.4%><働きたくない11.6%>
●一都三県に住むも、地元は別の学生(※n=72)
<働きたい42.1%><どちらとも言えない30.0%><働きたくない27.8%>
・地方出身なので。東京にいる必要性をそれほど感じないから
・慣れ親しんだ土地で働くことに憧れがあるから(居住地:神奈川県、地元:茨城県、男性)
・東京とは違う魅力があり、課題も多いが可能性も十分あるから(居住地:東京都、地元:福岡県、男性)
・地方でしかできない仕事があるだろうから(居住地:東京都、地元:長崎県、女性)
・新天地で何もかも0からスタートさせることに楽しみがあるから(居住地:埼玉県、地元:愛知県、女性)
・家族や友人がいることで安心できる(居住地:埼玉県、地元:山形県、女性)
一都三県以外に住み、地元の大学に通っている場合は、およそ7割が地元での就職に前向き。一方、地元を離れて一都三県に居住する学生では、約4割が地元での就職に前向きだということが分かった。
■地元で働くことに不安はあるか?
●一都三県以外の地元に住む学生(※n=506)<不安はない60.6%><どちらとも言えない20.6%><不安がある18.8%>
●一都三県に住むも、地元は別の学生(※n=72)
<不安はない32.6%><どちらとも言えない10.6%><不安がある56.8%>
・職が少なく、人も少ないから(居住地:東京都、地元:秋田県、男性)
・待遇面がいい企業ばかりではないから(居住地:神奈川県、地元:茨城県、男性)
・経済、ビジネス面で不便な点があることは確かだから(居住地:東京都、地元:福岡県、男性)
・生活の利便性の面で不安があるから(居住地:東京都、地元:長崎県、女性)
・頼れる人が少ないから(居住地:埼玉県、地元:愛知県、女性)
・志望業種がないから(居住地:埼玉県、地元:山形県、女性)
地元の大学に通っている場合は、地元での就職に不安を抱くのは2割だが、地元を離れて一都三県に居住する学生では、6割近くが不安に感じていることが分かった。
また、就職みらい研究所所長・増本全氏は、2018年に同所が実施した「働きたい組織の特徴(2019年)」の調査結果から「地元志向者」と「Uターン志向者」の就職観の違いを次のように分析している。
●地元志向者
給与や待遇のよさはそれほど求めないが、給与の変化がなく、安定的に収入が得られることを望む傾向がある。●Uターン志向者
地元志向者と比べ、若干、大企業や安定を志向するも、給与や待遇は特別多くなくてもよいとする傾向がある。また、これまでの経験を活かしたいという意向が強いのも特徴。調査結果を見ると、学生は地元で働くこと、Uターン就活に興味がないわけではなく、さまざまな不安を抱えていることがわかった。待遇面ややりがいを感じる志望業種など、こうした不安要素を先回りして払拭し、学生とのコミュニケーションを密にすることが重要なのかもしれない。