エクスペディア(Expedia)は2018年9月、世界19カ国18歳以上の有職者男女計11,144名を対象に、「有給休暇に関する調査」を行った。ここでは、12月に発表された結果を紹介する。

なお、調査方法はインターネットリサーチ、調査対象国は日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、香港、インド、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、台湾の19カ国。
日本の有給取得率は3年連続で最下位に。有給を取らない原因は「罪悪感」にあった

昨今、日本では「働き方改革」や「休み方改革」が推進されているが、有給取得率に変化はあったのだろうか。19カ国の有給取得率をまとめたのが下記のグラフだ。日本の有給取得率は50%で調査参加国中、最も低かった。2番目に低いオーストラリアが取得率71%であり、突出して低いことが分かる。さらに、一昨年、昨年に続いて3年連続の最下位という不名誉な結果から、「働き方改革は進んでいない」と見てもよいだろう。
日本の有給取得率は3年連続で最下位に。有給を取らない原因は「罪悪感」にあった
有給を取得できていないということは「休み不足」と言い換えられる。そこで、本調査では「休み不足」と感じている人の割合を聞いている。結果は下の表の通りで、日本で休み不足と感じている人の割合は53%と下から4番目に少なかった。日本人は休みを取れていないにもかかわらず、休みを欲していないということなのだろう。
日本の有給取得率は3年連続で最下位に。有給を取らない原因は「罪悪感」にあった
日本で「休み不足」と感じている人の割合を年代別に見てみる(下表)と、50歳以下が6割程度なのに対し、50歳以上では4割と大きな差があることが分かる。上司が休んでいないために休みを取りにくい、といった状況があるのかも知れない。
日本の有給取得率は3年連続で最下位に。有給を取らない原因は「罪悪感」にあった
それを裏付けるのが、上司が「有給の取得に協力的」と回答した人の割合だ。下の表にあるとおり、日本だけが5割に届かず43%。休まない上司は、有休の取得にも非協力的であることが容易に想像できる。
日本の有給取得率は3年連続で最下位に。有給を取らない原因は「罪悪感」にあった
環境がそうさせるのか、日本人は世界一真面目と言えるのか、有給休暇の取得に罪悪感がある人の割合が最も高かった。日本は58%と調査国中トップ。2位の韓国は55%と日本に近い傾向であったが、3位のシンガポール(42%)より下は、4割を切っていた。
日本の有給取得率は3年連続で最下位に。有給を取らない原因は「罪悪感」にあった
なお、日本人が回答した「休みを取らない理由」は、1位「人手不足」、2位「緊急時のために取っておく」、3位「仕事する気がないと思われたくない」といったものであった。
日本の有給取得率は3年連続で最下位に。有給を取らない原因は「罪悪感」にあった
日本人は職場の状況や空気を察するあまり、有給休暇を取得できていない可能性が高い。この点を改善することが「働き方改革」の一歩と言えそうだ。

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