回答選択肢上位2つの「とてもあてはまる」か「あてはまる」と回答した人の割合を基準にすると、若者から学んでいる大人は、全体の約2割となった。
一方、若者に対して「知識・スキル」を教えている人は、約4割。若者を学びの対象というより、教える対象として見ている人のほうが多かった。
さらに傾向を分析するために、回答の選択肢に点数を割り振り、平均得点を集計。
全般的に男性の得点が高い中、男性と女性の平均得点を比較すると、最も男女差が大きかったのは、若者に対して「知識・スキル」「考え方や価値観」を「教えている」という項目だった。この結果から、大人の男性ほど、自分の持っている知識や考え方を若者に教えたがる傾向があると言える。
また、若者から学ぶ人とそうでない人は何が違うのかを分析するため、「若者から学ぶ志向が高い人たち」、「若者から学ぶ志向が低い人たち」をそれぞれグループに分類。
若者から学ぶ志向が高い人たちのグループでは、
・「新しいモノ・コト」への感度は、自分たちよりも若者たちのほうが優れている
・若者の柔軟さや新しい発想からは学ぶべきことがある
といった点についてのコメントが多く見られた。
若者から積極的に学んでいる人たちは、若者ならではの柔軟で大人とは違った考え方・価
値観を学びの材料と捉えていることが分かる。
一方、若者から学ぶ志向が低い人たちのグループでは、
・愛社精神はなく、転職ありきで考えている
・少しでも厳しいことを言うと、反抗的な態度をとることがある
といったコメントが見られた。
若者から積極的に学ぼうとしない人たちは、若者の「自己の重視」の姿勢を、自分勝手な特徴とネガティブに捉えている傾向があることが分かる。
リクルートマネジメントソリューションズ事業開発部 主任研究員 桑原正義氏はこうした調査結果を受け、自分の価値観にとらわれることなく、若者を含む「異質」から学ぶ大人が増えていけば、お互いの違いや強みを生かし合える社会や組織づくりにつながるため、若者に「違和感」を抱いた瞬間こそが、大人の学びの絶好のタイミングと捉えるとよいのではないか、と結びの言葉を語っている。