子供の年齢6ヶ月未満での職場復帰が最多
アンケートの対象は同社に登録する会員で、有効回答数は847名(平均年齢46歳)のうち、出産後、仕事に復帰をし、仕事をしながら子育てをした経験があると回答した154名を対象に実施されている。はじめの質問は、出産後、仕事に復帰をした際の子供の年齢(月齢)についてだ。この回答は、「~生後6か月」が29.2%で最多。次に「生後6か月~満1歳」(22.7%)、「1歳~1歳6ヶ月」(20.8%)と続く。働きながら出産をした女性の2人に1人が、子供が満1歳になるまでに職場復帰を果たしているということが分かった。
子供が生後6ヶ月~満1歳の時に職場復帰を果たした人のコメントには、次にようなものが見られた。
「上の子も同じ保育園だったため、下の子が入園する際に点数が高く入りやすかったから」
「1歳前のほうが保育園に入りやすいから」
子供を預けるための保育園・ 保育所を探すための活動、いわゆる「保活」には、希望する施設に関する情報収集はもちろん、預ける子供の年齢も重要なポイントであるようだ。
さしあたって、ここで、働く女性たちの職場復帰の条件に直結する保活に、どのような苦労や負担があるのかを見てみる。
82.5%が「保活は大変…」
株式会社キッズラインは、2018年1~2月に、保活経験がある登録ユーザー(女性:544名 男性:17名)を対象として、保活にまつわるアンケート調査を実施している。なお回答者は20代が41名、30代が382名、40代以上が138名。また全561名のうち、共働きが472名、片親のみ就業が60名、ひとり親が29名となっている。2018年の保活の結果を尋ねると、「志望度の高い認可保育園への入園が決まった」が36.7%、「志望度は高くないものの、認可保育園への入園が決まった」が12.2%と、認可保育園への入園が叶った割合がおよそ半数。一方で、注目すべきは、「申し込みをしたすべての保育園に落ちた」の20.7%である。これは、子供を保育園に入れようとしても、5人に1人が認可保育園へ入園できないという結果だ。
また、「保活は大変ですか。もしくは大変でしたか」という問いに対し、「非常に大変」「まあまあ大変」と回答した人が合わせて82.5%。希望通り認可保育園に預けることができた場合でも、現代の保活には苦労がつきものであることがわかる。大変だった理由の上位は「情報収集」と「保育園の見学予約や申し込みなどの各種手続き」が、どちらも同率の62.9%。
回答者からは、
「情報があまりネットに掲載されていなかった為、何度も区役所に足を運んだ」
「泣く子をずっと抱っこであやしながら、見学会の予約をするためにつながらない電話を2時間以上掛け続けた」
「何度も電話し、予約を入れ、見学し、様子をエクセルにまとめる…と、まるで仕事をしているかのようだった」
といった声が寄せられている。
保育園への入園時期は一般的に4月である。したがって、企業によって異なる1年なり1年半の育児休業をそのまま取得してしまうと、入園時期の4月を過ぎてしまうため、職場への復帰を考える際には、それ以前に保育園へ預ける必要が出てくる。厚生労働省による「保育所等関連状況取りまとめ」を見ても、平成29年4月1日時点の待機児童は、71.7%が1・2歳児。一方、0歳児は16.9%となっている。(なお、3歳児になるとまた減り、11.4%。)
しかし保育園に預けることができれば、それで心配材料がなくなるというわけでもなさそうだ。ソフトブレーン・フィールド株式会社の資料に戻ると、仕事復帰後の働き方について、「働き方を変えた」人が46.1%。約半数近くの人が、出産後、働き方を変更した、と回答している。
どのように変更したかを尋ねると、「同じ職場で勤務時間を短くした」が31.0%でもっとも多く、次に「働きやすい会社に転職した」が23.9%。以下、正社員から契約社員やパート、というように「雇用形態を変更した」が15.5%、「フリーランスになった」が5.6%と続く。