パート・アルバイト希望理由、男性は「正社員職が得られない」、女性は「扶養の範囲内で働きたい」が目立つ
企業に勤めて働くにあたっては、様々な勤務形態があるが、これは単に勤務時間や就労条件を左右するだけのものではない。例えば“年収の壁”と言われるもので、一定の年収を超えると社会保険料の支払いが発生する「106万円の壁」や「130万円の壁」、年収の額によって各種税金の納税義務が発生する「103万円の壁」や「150万円の壁」など、自身の得る年収の額に細かく注意した上で勤務形態を選択すべきケースもある。では、実際に求職をしている人は、どのような勤務形態を希望しているのだろうか。はじめにアイデムは、全回答者のうち「パートまたはアルバイト」の雇用形態を希望する人(59.8%)に対し、「パートまたはアルバイトを希望する理由」について尋ねた。その結果、最多だったのは「自分の都合のよい時間や曜日に働きたいから」で54.8%、以下は「生活との両立を図りたいから」が34.2%、「すぐに働き始めたかったから」が29.5%となった。
性別による違いを見ていくと、「正社員としての職が得られないから」との回答については、男性の方が女性より6.5ポイント高くなっている。“可能であれば正社員として働きたい”と考えている人は、男性の方がより多いようだ。一方で、「扶養の範囲内で働きたいから」との回答に関しては、女性の方が男性より21.9ポイント高い26.2%。そのほか、「生活との両立を図りたいから」は15.4ポイント高い41.8%、「自分の都合のよい時間や曜日に働きたいから」は12.4ポイント高い61%となった。家庭の都合との兼ね合いでパートタイムを希望する人や、目安の収入を基準に勤務形態を選びたい人は、女性の方がより多いことがうかがえる。
正社員希望理由は「将来にわたって安定して働きたい」、「社会保険に加入できる」など
次に、「正社員」の雇用形態を希望する人(16.4%)に対し、「正社員を希望する理由」を尋ねている。すると、「将来にわたって安定して働きたいから」が61%で最多となり、以下は「社会保険に加入できるから」が35.1%、「他の雇用形態より収入が得られると思うから」が28.6%となった。こちらも性別による違いを見ていくと、「他の雇用形態より収入が得られると思うから」との回答では男性が女性より24.5ポイント、「自身のキャリア(仕事経験や意識・技術等)を維持・向上したいから」では14.8ポイント、「興味のある仕事が正社員での募集だったから」では13.2ポイント高くなっていた。男性の方が、より仕事内容やキャリアを重視して仕事探しを進めていることがわかる結果だ。一方で、「将来にわたって安定して働きたいから」との回答では女性が男性より22.2ポイント高い76%で、最多の回答となっている。女性は安定や長期雇用を重視しているようだ。