株式会社ガロアは2024年9月19日、全国の学生を対象に実施した「就活生の企業研究方法」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査期間は2024年8月19日~25日で、4年制・短期大学・専門学校を含む学生1483人(女性833人、男性576人、性別未回答19人)より回答を得ている。調査結果から、学年ごとの現在の就活状況や、学生の企業研究の方法などが明らかになった。
26卒生の就活状況、37%が「情報収集中」。“企業研究”のやり方は「企業のHP」が最多、調べることは「給料や待遇」など

26卒の就活状況は「情報収集中」が37%で最多。内定承諾は3%

学生が就活に先立って志望企業を選定する中で、「企業研究」は必須だ。自らの志向に合う企業に出会い、相性を見極めるために企業への理解を深めるもので、就活において非常に重要な作業となる。この「企業研究」について、現在の学生はどのような方法で行っているのだろうか。

はじめにガロアは、「現在の就活状況」について学年ごとの回答を比較した。その結果、3年生では68%、4年生では70%が就活を開始していることがわかった。なお、新卒採用のメインターゲットとなる3年生のうち、「情報収集をしており応募はまだしていない」という段階の学生が37%と最も高い割合となっていた。また、8月時点で内定承諾まで就職活動を進めている3年生はわずか3%で、就活初期段階の学生が多い結果となっている。
現在の就活状況

企業研究の手法は「企業のHP」が66%で最多。就活サイトでの企業探しの次のアクションとして活用

次に同社は、先の質問で「就職活動を開始している」とした人に対し、「どのような手法で企業研究を行っているか(行っていたか)」を尋ねた。すると、最多となったのは「企業のHP」で、66%と唯一の半数越えだった。以下、「企業説明会」が33%、「就活情報サイト」が30%となった。

なお、ガロアが行っている「就活生が企業探しのために使っているツール・サービスに関するアンケート調査」での同質問に対するトップ回答は「就活情報サイト」だったという。同社はこの結果と比較し、「企業探しで気になる企業を見つけた学生は、次のアクションとしてより詳しい情報を得るため、コーポレートサイトをはじめとしてさまざまな媒体を用いて、信頼性の高い情報を探す傾向があることがわかる。特に近年では、SNSや動画での情報収集をする学生が増え、旬な情報やリアルな情報、文字では伝わらない空気感などを知ろうとする行動が目立ってきている。」としている。
どのような手法で企業研究を行っているか(行っていたか)

入りたい会社の条件は「給料や待遇が良い」のほか、「職場環境や社風が合いそう」なども

続いて、同回答者に対し「どんな会社に入りたいか」を尋ねたところ、「給料や待遇が良い」が29%で最多となった。以下、「職場環境や社風が合いそう」が18%、「社員の人柄や関係性が良さそう」が14%で続いた。

同社はこの結果に対し、「給料や待遇を第一優先にしていない学生も7割以上おり、自分にとって働きやすい環境か、望んだ仕事ができそうか、などを最優先している学生も多い。そのため、就活生は企業研究で企業HPを訪れて給料や待遇、ビジョンなどに関する情報を探す一方で、どんな人間がどのように働いているかなどの情報も探しに行っていると考えられる。自社の賃金がストロングポイントとなりうるかを考慮したうえで、多角的にPRすることが必要である。」との見解を示している。
どんな会社に入りたいか

応募したくない会社も「給料が低く待遇が悪い」がトップ。「社員の仲が悪い」なども

また、同社は前問の回答を踏まえ、「入りたい会社の要素を持っていても応募したくない会社には、どんな原因があるか」を尋ねた。その結果、前問と同様に「給料が低く待遇が悪い」が最多の54%となった。以下、「社員の仲が悪い」が45%、「サービス残業が蔓延している」と「パワハラ気味の上司がいる」がともに36%で続いた。どんなに賃金が良くとも、社員の仲が悪い・サービス残業が蔓延している・パワハラ気味の上司がいるといった特徴がある場合は、入りたくないと判断しているようだ。
入りたい会社の要素を持っていても応募したくない会社には、どんな原因があるか

企業研究で信用できる情報は「現職社員や会社と関わりある知人からの情報」

最後に、「企業研究をする上で、最も信用できた(できる)情報はどんな情報か」を尋ねた結果、「対象の会社の現職社員の情報」が31%、「対象の会社と関わりある知人からの情報」が28%で、ともに約3割の回答が集まった。OB・OG訪問や、インターンシップ、企業説明会など社員と学生が関われる場の提供が有効であることがわかる結果だ。

そのほか、「口コミ情報サイト」が10%で3位、「大手就職情報サイト」が7%で5位につけていることから、同社は「口コミや情報サイト、プライベートでの会話など会社がコントロールできない部分の情報はある程度信頼できる」との見解を示している。
企業研究をする上で、最も信用できた(できる)情報はどんな情報か
本調査では、8月時点の就職開始割合は3年生で68%、4年生で70%となっており、特に3年生(26卒)では「情報収集中」が約4割で最多だった。また、企業の長所・短所としてともに「給料や待遇」を重視している様子も見て取れた。そのほか、“社員の仲”や“サービス残業”などの点も意識されている。これらの点は企業からは出さない情報でありながら、噂や口コミサイトなどで不確かな情報が出回っている可能性もあり、企業HPや就職情報サービスでは不安が払拭できないため、自社の雰囲気を伝える方法を模索する必要がありそうだ。

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