株式会社UZUZは2024年8月26日、20代を対象に実施した「Z世代のキャリア意識と価値観」に関する意識調査の結果を発表した。調査期間は2024年7月7日~8月5日で、既卒・第二新卒、新卒として就職活動中の20代男女396人(既卒:61人、第二新卒:305人、新卒:30人)より回答を得ている。調査結果から、20代がどのようなキャリア意識・価値観を持っているかが明らかになった。
20代の72.3%が“理想のキャリア”に「一つの会社で長く働きながらスキルアップ」を選択。“嫌いな上司”は「成果コミットタイプ」に

“理想のキャリア”として72.3%が「一つの会社でしっかり長く働きながらスキルアップしていく」を選択

近年は多くの企業で人手不足が懸念されているが、その中でも“若手人材の確保”は特に課題視されるポイントとなっている。若手優秀人材を獲得し、長く働いてもらうための施策に各企業が取り組んでいるが、現在就職活動中、もしくは転職活動中の20代はどのようなキャリア意識・価値観を持っているのだろうか。

はじめにUZUZは、“理想のキャリア”について、「一つの会社でしっかり長く働きながらスキルアップしていく」、「転職しながらどんどん新しい環境でスキルアップしていく」の2つの選択肢のうちどちらかを尋ねた。すると、「一つの会社でしっかり長く働きながら~」が72.8%、「転職しながらどんどん新しい環境で~」が27.3%となり、一つの会社で長く働くキャリアを理想とする人がおよそ4分の3に迫ることがわかった。

なお、同質問の回答を男女別に見ると、「一つの会社でしっかり長く働きながら~」との回答割合は、男性では66.8%、女性では78.3%になったという。一つの会社で長く働きたいとの希望は、特に女性において強いことがうかがえる。
理想のキャリア

“一つの会社でしっかり長く働きたい”理由は「ちゃんとスキルアップ・キャリアアップができると思うから」が最多

次に同社は、前質問で「一つの会社でしっかり長く働きながらスキルアップしていく」を選んだ回答者に対し、その理由を尋ねた。その結果、最多となったのは「腰を据えて働くことでちゃんとスキルアップ・キャリアアップができると思うから」で、43.3%と4割以上が回答した。以下、「会社を数年で辞めると社会的評価が下がるから」が18.5%、「働く場所や人間関係が変わるのが嫌だから」が17.8%、「転職するのは大変そうだから」および「一つの会社で長く働くことが大事だと思っているから」がともに10.2%で続いている。

また、その他の回答には、「会社と自分が合わなければ転職してキャリアアップすることはいい事だと思うが、そうではない場合、無闇に転職を繰り返すことにメリットを感じない」、「前職で短期離職だったので、とりあえず安心できる環境で長く働きたい」、「現時点で転職することまで想像がつかない」といった意見があったという。
一つの会社でしっかり長く働きながらスキルアップしていきたい理由

“転職しながらスキルアップしていきたい”理由は「若いうちに経験の幅や視野を広げたいから」など

続いて、先の質問で「転職しながらどんどん新しい環境でスキルアップしていく」と答えた人に対しても、その理由を尋ねている。すると、「若いうちに経験の幅や視野を広げたいから」が最多の32.6%、以下は「どこでも誰とでもやっていける能力を身につけたいから」(28.1%)、「転職することで効果的に年収アップができると思うから」(25.9%)「転職でキャリアアップすることで社会的評価が上がるから」(11.1%)、「同じ会社で働き続けることは面白くなさそうだから」(2.2%)と続いた。

その他の回答では、「起業を目指しているから」、「未経験分野のため経験を積み、次に活かしたい」、「生活に合わせて働く環境を変化させたいから」などの声が挙がったという。
転職しながらどんどん新しい環境でスキルアップしていきたい理由

理想の年収は「400万円~600万円未満」が44.1%

同社はさらに、「理想の年収」についても尋ねた。すると、最多となったのは「400万円~600万円未満」で41.2%、次いで「200万円~400万円未満」が33.1%となり、計74.3%とおよそ4分の3が理想の年収を「200万円~600万円未満」としていることがわかった。
理想の年収

“嫌いな上司のタイプ”は、常に高い目標を掲げる「成果コミットタイプ」が断トツの結果に

最後に、「一緒に働きたくない上司のタイプ」を尋ねた結果、「常に高い目標を掲げてチーム全体を引っ張っていく『成果コミットタイプ』」が49.3%と半数に迫り、2位の「部下が最低限やることをやっていたら何も言わない『超寛容タイプ』」(21.2%)を大きく離してトップとなった。なお3位以下は、「プライベートな話題も一緒になって盛り上がれる『フレンドリータイプ』」が18%、「1on1に力を入れて進捗状況や悩みをしっかり把握したい『徹底伴走タイプ』」が11.6%で続いた。
一緒に働きたくない上司のタイプ
本調査から、就活中の20代の72.3%が「一つの会社でしっかり長く働きながらスキルアップしていく」キャリアを理想としていることがわかった。腰を据えて働くなかでのスキルアップ・キャリアアップや、勤続年数による社会的評価、また人間関係が変わらない点などにメリットを感じているようだ。また、“嫌いな上司のタイプ”として半数近くが「成果コミットタイプ」と回答している点も特徴的であった。若手優秀人材の獲得・確保に向けては、Z世代を中心とした若年層のキャリア観や価値観を、いま一度正しく捉えることが重要だろう。

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