株式会社マイナビは2024年8月21日、2024年に新卒入社した人を対象に実施した「新入社員の意識調査(2024)」の結果を発表した。調査期間は2024年6月7日~9日で、2024年卒の新入社員800人(男性:400人、女性:400人)から回答を得ている。調査結果から、24卒新入社員における入社後2ヵ月時点での“リアルな声”が明らかになった。
【新入社員の意識調査】54.9%が「10年以内の離職」を想定。“配属ガチャ”を回避するため配属先確約の採用方式を選んだ人も

「直近の月収」の平均は“22.5万円”。その後の昇給に期待する人は半数以下に

24卒新入社員が入社して数ヵ月。近年は新入社員の早期離職も人事を悩ませる一つの要因となっているが、今年新社会人となった24卒社員における、入社から2ヵ月時点での意識はどうだったのだろうか。

はじめにマイナビが、「直近の月収」について尋ねたところ、平均は「22.2万円」だった。また、平均月収について「給与に満足している人」と「給与に不満がある人」に分けてそれぞれ見ていくと、満足している人では「22.9万円」、不満がある人では「20.5万円」となっており、その差は2万円以上となっている。
直近の月収
さらに、「今の会社に勤め続けたら、5年後にどんな人生になっているか?」と予想を尋ねたところ、「年収が上がっている」との回答は42.6%で半数以下になった。入社直後の時点で、その後の昇給に対する期待度は低い様子がうかがえた。
今の会社に勤め続けたら、5年後にどんな人生になっているか?

半数以上が「10年以内」の離職を考えている。女性で目立つ「働き方を変えたい」の声

次に同社は、「今の会社であと何年ぐらい働くと思うか?」と尋ねた。すると、「3年以内」が25.9%、「4~5年ぐらい」が16.9%、「6~10年ぐらい」が12.1%となり、合計で54.9%と半数以上が「10年以内」と考えていることがわかった。なお、男女別に見ていくと、「3年以内」と答えたのは男性が18.5%、女性が33.3%となり、入社3年以内の早期離職の意向を持つ人の割合は、女性においてより高くなっていた。
今の会社であと何年ぐらい働くと思うか?
また、勤続意向年数について「10年以内」と答えた人に、「今の会社でずっと(長く)働くと思わない理由」を尋ねている。すると、「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」が30.3%で最多となり、男性では19.6%、女性では38%と、特に女性の回答率の高さが目立った。これに対し同社は、「女性は環境の変化に備え早めにキャリアプランを立てていることがうかがえる」としている。
今の会社でずっと(長く)働くと思わない理由

「今の会社を辞めたいと思ったことがある」は3割以上に

続いて同社は、「今の会社を辞めたいと思ったことはあるか?」と尋ねた。その結果、「会社を辞めたいと思ったことがある」とする人は33.4%で、そのうち転職活動をしている人は3.4%となった。
今の会社を辞めたいと思ったことはあるか?
なお、「今の会社を辞めなかった理由」についても尋ねると、最多となったのは「もう一度就職活動をしたくないから」(30.7%)で、次いで「辞めると言いづらいから」(24.7%)、「上司や先輩、同僚に恵まれているから」(18.7%)が続いた。
今の会社を辞めなかった理由

「勤務地・配属先共に希望通りだった」人は59.9%。「配属ガチャにハズレた」とする人は約1割に

最後に同社は、「入社前に配属希望を出せたか」および「配属は希望通りだったか」を尋ねた。すると、「希望を出せた」とした上で「勤務地/配属先ともに希望通り」だった人は46%、「希望を出せなかった」とした上で「勤務地/配属先ともに希望通り」だった人は13.9%となり、勤務地・配属先共に希望通りだった人の合計は59.9%だった。
「入社前に配属希望を出せたか」および「配属は希望通りだったか」
また、「配属ガチャにハズレたと思うか?」との質問に対しては、「ハズレた」との回答は11.1%と1割程度にとどまり、少数派となった。

さらに、「配属ガチャについてどう思うか」を自由回答で尋ねると、ポジティブな意見には「まずは配属されたところでできる限り頑張ることが大切」、「幅広い分野を経験できるのでメリットが大きい」といった声があったという。一方のネガティブな意見には「希望が叶わなかった場合、転職に影響する」、「心的に負担がかかる可能性がある」といった声が挙がっている。また、「配属ガチャを回避するために、勤務地や職種が決まっている企業のみを受けた」という声も複数あったことから、同社は「勤務地や職種が確約されている採用方式が前向きに受け止められている様子がうかがえる」との見解を示している。
配属ガチャにハズレたと思うか?
新卒採用で費やしたコストや、その後の人員計画などを考えると、新入社員の早期離職は企業にとって大きな痛手だろう。人手不足の時代、欠員が出た際の補充も容易ではないうえ、若手人材の採用競争も激しくなっている。実際に入社した後のファーストインプレッションとして、新入社員の待遇や処遇には十分に配慮したいところだ。

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