株式会社i-plugは2024年6月6日、2025年卒業予定の学生(以下、25卒生)、および新卒採用を実施する企業を対象に実施した、「夏期の就職活動の服装」に関する調査結果を発表した。調査期間は2024年5月8日~10日で、25卒生613人と、新卒採用を実施する企業266社から回答を得ている。本調査から、夏期の就活での“スーツ着用”に対する、学生と企業双方の考えが明らかになった。
夏の就活の“リクルートスーツ指定”に6割以上の25卒生が抵抗感。「オフィスカジュアル」を希望も、企業の意向とはギャップか

6割以上の25卒生が「夏期はリクルートスーツ以外で就活したい」と回答

インターンシップや採用面接など、夏期は学生の就職活動、そして企業の新卒採用活動が活気を見せる時期だ。しかし、過去と比べて猛暑が続く近年において、忙しく動き回るのに「スーツでは暑すぎる」考える就活生も多いだろう。では、実際に就活真っただ中の25卒生、そして採用活動を行う企業の担当者は、“夏期のスーツ着用”についてどう考えているのだろうか。

はじめにi-plugが、25卒生に対し「夏期の就活において、リクルートスーツ以外の服で就活をしたいと思うか?」と尋ねると、過半数となる63.9%が「はい」と回答した。昨年同調査の回答結果(67.9%)と比べると4ポイント減少しているものの、依然として“スーツ否定派”の学生が多数であるようだ。
夏期の就活において、リクルートスーツ以外の服で就活をしたいと思うか?

学生が求めるのは“季節に適した楽な格好”か。「オフィスカジュアル」希望が多数に

次に同社は、先の質問で「はい」と回答した人に対し、「その理由」を尋ねた。すると、「季節に適した格好をしたいから」が57.5%で最多となり、次いで「スーツより楽だから」が32.7%となった。この2項目が他に比べて突出している傾向は、昨年同調査においても同様で、近年の学生が就活において“季節に適した格好”や“楽な格好”を求めていることがうかがえる。
リクルートスーツ以外の服で就活をしたい理由
同社は続いて同対象者に対し、「夏期の就活において、どのような服装を希望するか」を尋ねた。すると、「オフィスカジュアル」(39.8%)が最多となり、以下は「ジャケット着用不要かつ、クールビズ(ノーネクタイ、半袖シャツ)」(35.2%)、「服装自由」(17.1%)、「ジャケット着用は必須だが、クールビズ(ノーネクタイ、半袖シャツ)」(7.9%)と続いた。なお、昨年同調査と比べると、「オフィスカジュアル」との回答がおよそ5ポイント増加(34.7%→39.8%)している。
夏期の就活において、どのような服装を希望するか

“リクルートスーツ希望”の理由は「服装を考えるのが面倒」など

また、「リクルートスーツ以外の服で就活をしたいと思うか?」との質問に「いいえ」と答えた人に対し、「その理由」を尋ねている。すると、最多となったのは「服装を考えることが面倒だから」で40.3%、以下は「企業への印象を良くしたいから」が22.2%、「何を着たら良いか分からないから」が21.3%などとなった。
リクルートスーツ以外の服で就活をしたいと思わない理由

“スーツ指定”の企業が半数超。学生の希望とは乖離する結果に

ここから同社は企業を対象に、まず「採用選考(面接)において学生にどのような服装を指定しているか」と尋ねた。すると、「スーツ」が51.9%で最多となり、以下は「特に指定していない」が30.5%、「私服」が11.3%、「オフィスカジュアル」が6.4%と続いた。

回答結果を昨年同調査と比較すると、「スーツ」が4.3ポイント減少(56.2%→51.9%)したのに対し、「私服」が3.8ポイント増加(7.5%→11.3%)している。“スーツ着用”を指定する企業は、わずかながら減少しているようだ。ただし、25卒生に対する最初の質問で「リクルートスーツ以外の服で就活をしたい」とした人が6割以上いたことから、いまだ“学生の希望”と“企業の意向”には乖離があることがうかがえる。
採用選考(面接)において学生にどのような服装を指定しているか

2024年も「服装指定の変更なし」とする企業は8割近くに

最後に同社が、前質問で「スーツ/ジャケット着用」と回答した企業に、「採用選考(面接)において、夏期のみ、学生の服装指定の変更(予定)はあるか」と尋ねると、「いいえ」が79.7%だった。今年も8割近くの企業は、夏期の服装指定の変更を予定していないようだ。
採用選考(面接)において、夏期のみ、学生の服装指定の変更(予定)はあるか
本調査から、6割以上の25卒生が「夏期はリクルートスーツ以外で就活したい」と考えていることがわかった。気温の上がる夏の就活では、“季節に適した楽な格好”を求めているようだ。一方で、企業の服装指定は「スーツ」が半数を超え、学生の希望とは乖離が見られた。暑い夏が続く日本において、リクルートスーツに抵抗感を持つ学生は今後も増えていくかもしれない。夏の就活における服装指定については、企業にも柔軟な対応が求められそうだ。

この記事にリアクションをお願いします!