夏ボーナスの「支給あり」とした企業は85%。「支給額増加」も約4割に
実質賃金の減少が止まらず、企業に賃上げの動きが求められる中、通常6月に支給される“夏のボーナス”が夏季の消費促進の後押しにつながる可能性もある。そうした中で企業は、2024年の夏季賞与についてどのように予定しているのだろうか。はじめに帝国データバンクは、全ての企業に対し「夏季賞与の支給状況」について尋ねた。すると、「賞与はあり、増加する」とする企業は39.5%で、前年同調査と比較すると2.1ポイント増加した。また、そのほかに「賞与あり」とした企業(支給額が変わらない、もしくは減少するとした企業)も合わせると、支給額の増減に関わらず「賞与あり」とした企業は85%となり、前年より1.9ポイントの増加となった。一方、「賞与はない」とした企業は10.3%で、前年から0.9ポイント減少している。
「一人あたりの夏ボーナス平均支給額」増減は平均“+2.0%”
次に、企業規模別に「賞与はあり、増加する」とした企業の割合をみると、大企業では前年比4.9ポイント増の47.2%と、全体(39.5%)を7.7ポイント上回った。他方、中小企業では前年比1.7ポイント増の38.2%、小規模企業では前年比1.9ポイント増の29.2%となり、「夏季賞与が増加する」とする企業の割合の増加幅は、大企業よりも小さかった。なお、小規模企業では「夏季賞与が増加する」とした企業の割合が全体より約10ポイント低くなっていることから、依然として企業規模によって支給状況に違いが見られている。「一人あたりの夏ボーナス平均支給額」増減は平均“+2.0%”
最後に同社は、2024年夏季賞与の従業員一人あたりの平均支給額について、「前年からの増減」を尋ねている。すると、全企業では平均で「+2.0%」となり、前年同調査の「+2.4%」から0.4ポイント減少した。企業規模別では、大企業は「+4.1%」と、前年と比べ0.6ポイント上昇。中小企業は前年より0.5ポイント低下し、「+1.7%」となっている。なお、中小企業の増加率は、大企業を2.4ポイント下回っており、こちらも企業規模間で格差が目立つ結果となった。