「大手企業志向」は前年比4.8ポイント増。3年ぶりに半数を超える
ここ数年、日本では感染症の流行や物価高騰が続き、経済や人々の生活に影響を与えている。そのような中で就活をする学生は、どのような就職観を持ち、どのようなポイントを重視して企業選びをしているのだろうか。はじめにマイナビは、「企業志向」について、11年卒~25年卒までの推移をまとめた。すると、「大手企業志向」は前年(24年卒)比4.8ポイント増の53.7%(絶対に大手企業がよい:9.8%、自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい:43.9%の計)となり、3年ぶりに半数を超えた。
同社はこれを踏まえ、「物価高や賃上げといった経済的な動向が影響している。特に『自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい』が最多回答になっており、学生の志望職種(やりたい仕事)への意識の高まりも垣間見える」との見解を示している。
25卒生の就職観は「楽しく働きたい」が最多。次いで「仕事と家庭の両立」を重要視
続いて同社が「就職観」の推移(10年卒~25年卒)を調べたところ、「楽しく働きたい」(38.9%)が前年(24年卒)と同様の数値となり、最も多かった。次に、「個人の生活と仕事を両立させたい」(24.5%)が前年比1.7ポイント増で続いた。同社が行なった別の調査では、約6割の男女が「育児休業を取得して子育てしたい」と回答したという。同社は、「働きやすい環境の希望や、学生のワークライフバランス志向が反映していると考えられる」とコメントしている。
企業選択のポイントは「安定」が約5割、6年連続で最多。「給料」も3年連続で増加
また同社は、「企業選択のポイント」(上位3項目)の推移(02年卒~25年卒)をまとめた。すると、「安定している会社」(49.9%/前年比1.1ポイント増)が半数に迫り、6年連続で最多となった。そのほか、「給料の良い会社」も3年連続で増加し、23.6%(前年比2.2ポイント増)だった。物価高にともなう経済的な不安や初任給引き上げ、賃上げといった企業動向の影響が考えられる。「ノルマのきつそうな会社」が行きたくない会社の最多。「転勤が多い」も4年連続で増加に
最後に同社が、「行きたくない会社」(上位3項目)の推移(03年卒~25年卒)を調査したところ、「ノルマのきつそうな会社」(38.9%/前年比0.7ポイント増)が前年に続いて最も多かった。次いで「転勤の多い会社」(30.3%/前年比0.7ポイント増)となり、調査がこの形式になってから(01卒生以降)、初めて3割を超えた。また、同社が学生に対して行った別の調査で「結婚後の仕事に関してどのように考えているか」を聞いたところ、「夫婦共働きが望ましい」という回答が男女共に6割を超え、最多回答だったという。この結果から同社は、「結婚後に共働きを希望する学生が多いことから、自身とパートナーそれぞれが仕事を持つことを前提とした際、転勤することが難しいと感じる学生が多いことなどが背景として考えられる」と推察している。