10年前は「航空・旅行」が人気、「商社・金融」も支持を集める
社会情勢や新型コロナなどの影響を受け、就活生に人気の企業は直近10年間で変化していると考えられる。10年前と現在では、就職人気企業にどのような違いがあるのだろうか。まず学情は、10年前にあたる「2016年卒の就職人気企業ランキング」を調べた。すると、1位は「ANA(全日本空輸)」だった。3位は「オリエンタルランド」、4位は「JTBグループ」、7位は「JAL(日本航空)」となり、「航空・旅行・レジャー」の業界が人気を集めていたようだ。
また、2位は「伊藤忠商事」、9位は「丸紅」で、「商社」も支持を集めていた。そのほか、5位は「三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)」、10位は「三井住友銀行」で、三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)は後述する2017年卒のランキングでも10位に入っており、現在の社会人7年目にあたる世代が就職活動をしていた時期まで「金融」が人気を誇っていたことも明らかとなった。
ANA(全日本空輸)が4年連続(16卒~19卒)で人気首位を獲得
続いて同社が、「2017年卒~2019年卒」についても同様に調査すると、ANA(全日本空輸)が4年連続(2016年卒〜2019年卒)で首位を獲得していた。JAL(日本航空)も毎年トップ10に入っており、「航空」は現在の社会人5年目から8年目にあたる世代に高い人気を誇っていたことが示された。また、JTBグループやオリエンタルランドなど「旅行関連」も人気を集めていたようだ。20卒~25卒では「伊藤忠商事」が6年連続の首位。22卒以降は「ゲーム」や「出版」が台頭
次に同社が「2020年卒~2025年卒」について調べたところ、6年連続で伊藤忠商事が首位を独占した。また、味の素やアサヒ飲料は常にランクインするなど「食品」も高い人気を誇った。任天堂は2021年卒で9位に入って以降、2022年卒(6位)、2023年卒(5位)、2024年卒(2位)、2025年卒(4位)と連続でトップ10に入った。そのほか、2022年卒のランキング(2020年調査)以降、講談社や集英社もトップ10の常連となり、ゲームや電子コミック、動画など「デジタルコンテンツ」を提供する企業が、デジタルネイティブである学生から支持を集めていることも示された。
10年連続でランクインした企業は「伊藤忠商事」のみ
最後に同社は、就職人気企業ランキングを「10年間(2016年卒~2025年卒)」で比較した。すると、トップ10に入り続けた企業は「伊藤忠商事」のみだった。この結果を受け同社は、「伊藤忠商事は2020年卒~2025年卒の調査で6年連続首位を誇っており、人気の高さがうかがえる。トップ10に入る企業は毎年入れ替わるなか、伊藤忠商事は継続して学生からの人気を集めていることがわかる」とコメントしている。