8割を超える企業が「2024年問題による事業影響」を懸念
2024年4月より、これまで上限が設けられていなかった運送業従事者においても時間外労働の上限規制が始まる。これにより、運送業界の人材不足や売上の減少といった「2024年問題」が懸念されているが、2024年問題は運送事業にどのような影響を与えるのだろうか。はじめにオーサムエージェントは、「2024年問題による事業への影響に懸念を感じているか」を尋ねた。事業規模を問わず、「とても感じている」(40.5%)、「やや感じている」(41.7%)の回答を合わせると、全体の81.7%となった。大多数の企業が2024年問題に対する事業影響に懸念を感じているとわかった。
懸念を感じている運送形態は「貨物(地場メイン)」が6割超でトップに
そこで、同社が「懸念を感じている運送形態」を調べたところ、ラストワンマイル・地場・中長距離の貨物を運送形態とする「貨物(地場メイン)」が60.9%で最多だった。一方、「あまり感じていない」、「全く感じていない」とした企業としては、旅客・廃棄物収集・生コン・砂利など貨物以外の事業者が目立つ結果となった。
影響の懸念は事業規模を問わず
続いて同社が「懸念を感じている」とした企業の「事業規模の割合」(保有している車両台数)を調査したところ、「31~50台」(27.5%)が最多だった。以下、「21~30台」(20.3%)、「101台~」(20.3%)が同率で、「51~100台」(18.8%)、「10台以下」(7.2%)、「11~20台」(5.8%)と続いた。保有している車両台数が10台未満の企業から100台以上の企業まで、大小偏りのない結果となった。このことから、運送形態の事業者はその事業規模を問わず2024年問題の影響に関して懸念を感じていると推察できる。
2024年問題の懸念点は「ドライバーの不足・離職」など人材に関する懸念が8割に
次に、同社が「具体的にどのような懸念を感じているか」を複数回答で聞いたところ、「ドライバー不足」(80%)が最も多く、次いで「賃金の減少によるドライバーの離職」(40%)となった。人材不足・ドライバーの離職など、「人材」に関する懸念が多くを占めているようだ。また、「法改正への対応」や「荷主との交渉」とした企業も多く、実際に2024年問題に対しての対策をすでに講じている企業も多数あったという。