2024年3月1日時点の内定率は4割超。前年同期を10.8ポイント上回り選考は早期化
2024年3月1日に25卒生の採用広報が解禁され、就職活動はいよいよ本格化した。企業の採用意欲が一層高まるなか、25卒生はどのようなスタートを切ったのだろうか。はじめにディスコは、「内定率の推移」をまとめた。すると、「3月1日時点で内定を得ている学生」は全体で43.2%だった。前回調査(2024年2月調査:33.8%)から1ヵ月の間に9.4ポイント上昇し、就職活動解禁のタイミングで、就職活動モニターの約4割が内定を獲得しているとわかった。また、前年同時期(2023年2月:32.4%)と比べると10.8ポイント上回った。現在の日程ルールが9年目を迎える中で、選考の早期化が一段と進行していることが見て取れる。
さらに「内定を得た企業の内訳」を見ると、内定企業の約7割(72%)が、インターンシップ等のプログラムに参加した企業だった。
「活動状況の分布」では、内定取得者の31.8%(複数内定保留:1.3%、活動継続:30.5%の計)は内定を保持しながら就職活動を継続しており、就職活動終了者(就職先決定)はモニター全体の11.5%だった。多くの学生にとっては、これからが本番であると考えられる。
一人あたりのエントリー社数は前年より2.1社増加。選考に合わせ就職活動も早期化か
次に同社が「エントリー社数」を調べたところ、一人あたりのエントリー社数の平均は21.2社で、前年同時期(19.1社)を2.1社上回った。2年前の同調査(23卒者対象)と比べても増えており、3年ぶりに20社台となった(いずれも3月調査時点)。ただし、今後のエントリー予定社数は平均9.5社とやや少なく、既にエントリーした社数と今後の予定社数を合わせると前年並みの水準であることから、企業を絞り込む傾向には変化がなさそうだ。また、「面接試験の受験有無」を調査したところ、「すでに面接試験を受けた」との回答が79%と8割に迫った。この結果から同社は、「早い時期に接点を持った企業の選考が進んでいることで、エントリーも前倒しになっているのだろう」と推察している。
“就職活動解禁”に対し「いまさら」との声が過半数、前年より9ポイント増加
最後に同社は、「3月1日の『解禁日』を迎えた心境」を尋ねた。すると、「いよいよ本格的に始まった」とした人の割合は42.5%と、前年調査(50.2%)より減少した。一方で、「いまさらという感じ」(54%)が前年(45%)より増加し、半数を超えた。これを踏まえて同社は、「本選考が前倒しで進み内定率が4割を超える状況では、解禁日を意識する学生が減るのもうなずける」とコメントしている。
学生からは、「3月からここまで忙しくなるとは思わなかった」、「いよいよ就活本番となるため気を引き締めたい」、「内定を得たとはいえ、第一志望の選考を控えているので今後も頑張りたい」といった声があがった。