オープンワーク株式会社は2024年2月26日、「新卒入社vs中途入社・評価がフラットな日系大手企業ランキング」の結果を発表した。本調査では、設立50年以上で従業員1,000人以上、かつ総合評価が3.0点以上の日系大手企業を対象に新卒入社者と中途入社者による総合評価スコアをそれぞれ集計し、差異が小さい企業をランキング化した。
【人事評価】新卒VS中途『評価がフラットな日系大手企業ランキング』。評価制度・基準の特徴は“実力主義”か

評価がフラットな企業のトップは「住友生命保険相互会社」。ランクイン企業の共通点とは

構造的な人手不足を背景に、経験豊富でスキルの高い人材を積極的に採用する企業が増えつつある。日系大手企業では新卒入社の生え抜き社員が重要なポジションや経営トップを担うケースも多く、「新卒文化」のイメージがあるが、一部の日系大手企業では近年、中途入社者も新卒入社者と同等に公平・公正な登用を実現している。中途入社者が力を発揮できる日系大手企業には、どのような特徴があるのだろうか。

オープンワークが発表した「新卒入社vs中途入社・評価がフラットな日系大手企業ランキング」では、1位は「住友生命保険相互会社」、2位は「あいおいニッセイ同和損害保険株式会社」、3位は「株式会社リクルートホールディングス」で、上位2社が保険業界だった。また、業種別では「SIer・ソフト開発・システム運用」、「コンピュータ・通信機器・OA機器関連」がそれぞれ最多の4社、「半導体・電子・精密機器」が3社となった。

上位30社のスコアを見ると、中途入社者による総合評価スコアが新卒入社者による評価を上回ったのは17社だった。「新卒文化」のイメージがある日系大手企業だが、ランキング全体を通じて中途入社者による評価の方がわずかに高いことがわかった。

ランクイン企業に投稿されたクチコミをみると、新卒および中途入社者の双方に共通していたのは、「自社が近年中途採用に力を入れており、入社形態にかかわらず社員が分け隔てなく意見を交わすことができる職場環境を評価する声」だという。外部で得た経験やスキルを積極的に自社に取り入れようとする組織としての姿勢が、多様な人材を受け入れる土壌をつくっていることがうかがえる。

評価制度の特徴に対する意見としては、「実力主義」、「日系大手企業によく見られた年功序列からの変化が見られる」といった声が寄せられたとのことだ。社員の頑張りに報いる報酬体系や評価制度は新卒・中途入社者の双方から高く評価されるポイントと言えそうだ。同社は、「特に中途入社者にとっては、これまで新卒一括採用がメインだった企業に転職するにあたり、仕事に挑戦する機会や評価が平等であるかは懸念の一つではないか。企業側もさまざまな人材が力を発揮できる報酬体系や評価制度への改善が必要と考えられる」との見解を示している。
新卒入社vs中途入社・評価がフラットな日系大手企業ランキング

「学びの機会の充実」が“成長意欲のある中途入社者”に刺さるポイントか

さらに、ランクイン企業の中途入社者によるクチコミに限定すると、「丁寧な研修制度」や「豊富な学習機会」を評価する声も聞かれた。この意見を踏まえて同社は、「中途入社者は新卒入社者に比べ新たに習得したいスキルが明確であり、自分に合ったキャリアステップを歩める環境を求めて転職先を決定していると考えられる。人材の獲得競争が激化するなか、スキルアップや学びの機会を提供することも、成長意欲のある中途入社者に選ばれる企業となるために必要な方策と言えそうだ」とコメントしている。
本調査結果から、新卒/中途入社のどちらにおいても評価がフラットな(満足度が高い)日系大手企業の1位は「住友生命保険相互会社」だった。また、ランキングの上位30社のうち、中途入社者による総合評価スコアが新卒入社者による評価を上回ったのは17社だったとわかった。加えて、ランクイン企業には「中途採用に積極的な姿勢や風通しの良い職場環境である」との声があり、中途入社者に選ばれる企業となるためには「学びの機会の充実」が重要な要素であることも示された。このような声を踏まえ、自社でも中途入社者がより活躍できる環境づくりを目指してみてはいかがだろうか。

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