5割超が電帳法対応は「未完了」。“受領”より“発行”への対応に遅れか
2022年1月に「改正電子帳簿保存法」が施行され、「電子取引」に関するデータ保存が義務化された。2023年12月末までは書面での保存も認められる「宥恕(ゆうじょ)措置」が設けられていたが、2024年1月1日からは保存要件に従った電子データの保存が義務となる。そうした中、企業の電帳法への対応はどの程度進んでいるのだろうか。はじめにLayerXは、「電帳法への対応状況(『電子取引』区分に該当する書類への対応)」を尋ねた。すると、調査時点において、「電帳法対応未完了」の企業は49.7%(一部対応済み:37%、未対応:12.7%の合計)だった。また、「一部対応済み」のうち「受領書類は対応済み」が25.6%、「発行書類は対応済み」が11.4%となり、受領書類と比べて発行書類の対応が進んでいないとわかった。
一方、発行書類・受領書類ともに「対応完了」とした企業は46.4%だった。
電帳法対応で苦労した点とは?
続いて同社は、電帳法への対応が完了している企業(発行書類・受領書類ともに対応済み)と、対応が未完了の企業(受領書類は対応済み、発行書類は対応済みのいずれか)の担当者に対して、「対応において苦労したこと」を複数回答で質問した。すると、対応が完了している企業では「業務フローの設計」が50.3%で最多だった。一方、対応が未完了の企業では「電帳法に対応するべき書類がわからない」が56%で最も多かった。対応未完了企業のうち、「宥恕措置」までに対応を見込む企業は1割弱。約2割が対応未定
次いで同社が、対応が未完了の企業(受領書類は対応済み、発行書類は対応済みのいずれか)と未対応の企業に対して「電帳法への対応が完了する予定時期」を尋ねたところ、「2024年3月まで」との回答が44.3%で最も多かった。なお、宥恕期間が終了する「2023年12月まで」とした企業は8.9%で、1割未満だった。また、対応完了の時期を「未定」とする企業は22.1%と、2割にのぼった。4割が「対応要件を満たすITツール利用」の導入で「法対応と業務効率化」を目指す
最後に、同社は「電帳法への対応方法」を質問した。すると、「電帳法の対応要件を満たすITツールを利用」が4割程度と最多だったという。そこで、「対応要件を満たしたITツールを利用する」とした担当者に「その理由」を質問したところ、「法対応に加えて、業務をより効率的に実施できる」が50.6%で最も多かった。以下、「法対応のためにかかる業務時間を抑える」が48%、「誰でも使いやすい」が47.1%と続いた。