転職者の半数以上が“未経験転職”を経験。うち6割以上は「業種も職種も未経験」
少子高齢化による労働人口の減少などを背景に、労働市場における人材不足が深刻化している。人材確保の観点から、企業が未経験者を中途採用する動きも増えつつあるが、転職経験者のうち未経験転職の経験者はどの程度の割合を占めるのだろうか。はじめにIndeed Japanは事前調査として、転職経験者8,399名に対して「前職と業種も職種も同じ転職をしたことがあるか、もしくは、前職と業種や職種のいずれかまたはその両方が異なる転職(未経験転職)をしたことがあるか」を尋ねた。すると、「未経験転職の経験あり」とした人は54.3%と全体の半数にのぼり、転職経験者の半数以上が未経験転職を経験しているとわかった。
未経験転職の理由は「給与を上げるため」が最多。「現状への不満」、「やりがい」も上位に
続いて同社は、転職経験者8,399名の中から未経験転職者720名を抽出し、「未経験転職をした理由」を尋ねた。その結果、「給与を上げるため」が25.8%で最多となり、次いで「現状の業種・職種に不満があった」が22.5%だった。待遇など、現状からの改善を求める転職理由が上位を占めた。以下、「よりやりがいのある仕事をするため」(21.4%)、「働き方の選択肢を増やすため」(21.1%)と続いた。現状の改善に加え、仕事に対するモチベーションアップや自身の可能性を広げる機会として、未経験転職を選択していることがうかがえる。
未経験転職を「良かった」とする人は6割超、「悪かった」は全体の1割未満に
また、未経験転職をした人に「未経験転職をして良かったと思うか」を尋ねたところ、「良かった」が61.4%(とても良かったと思う:18.5%、良かったと思う:42.9%の計)と6割を超えた。一方で、「悪かった」は4.4%(とても悪かったと思う:2.6%、悪かったと思う:1.8%の計)にとどまった。同対象者について、はじめて未経験転職をした年代別に見てみると、「良かった」との回答は、「18歳~34歳ではじめての未経験転職をした人」は61.5%、「35歳~49歳で経験した人」は60.7%となり、双方の年代でほぼ同じ割合であるとわかった。一方、「悪かった」とする人は「18歳~34歳」が4.4%、「35歳~49歳」が5.4%で、どちらも1割に満たなかった。
なお、35歳以上ではじめて未経験転職をした人の割合は全体の7.8%(56名)と低く、年齢を重ねてから未経験転職をする人は少ない傾向にあるものの、未経験転職の満足度は年齢に関わらず高い傾向にあることが示された。
未経験転職をして「良かった」と感じる理由の自由回答には、「それまで活かせていなかった大学で学んだ知識を活かせるようになった」(26歳男性:製造業)、「視野が広がり、人として成長できる機会になった」(36歳女性:医療・介護・福祉関連)といった声があがったという。
“未経験転職に抱くイメージ”は「新たな経験やスキルを積める」がトップ
最後に同社は、未経験転職をした人に対して「未経験転職に対するイメージ」を聞いた。すると、「新たな経験やスキルを積むことができる」(79%)が最も多く、以下、「新たな仕事やキャリアに挑戦できる/キャリアチェンジが実現できる」(77.4%)、「可能性の広がる転職である」(76.9%)と続いた。また、はじめて未経験転職をした年齢が35歳以上の人に絞って回答をみたところ、最も多かった回答は「可能性の広がる転職である」、「新たな経験やスキルを積むことができる」の2つで、ともに83.9%と8割を超えた。この結果から、年齢を重ねてから未経験転職をした人も、未経験転職に可能性を感じポジティブに捉えているとわかった。