“賞与の少なさ”を理由に転職したことがある人は6割以上。高額で“転職せず”も3割超
例年、12月に冬の賞与を支給する企業も多いが、「賞与支給額」と「転職意向」にはどのような関係性があるのだろうか。はじめにマイナビは、「『賞与が少ないこと』を理由に転職をしたことがあるか」を尋ねた。すると、「転職をしたことがある」(「1番ではないが転職理由だった」:37.1%、「1番大きな転職理由だった」:25.4%の計)との回答は62.5%だった。
役職別にみると、部長クラスが最も高く41.3%となった。これを受けて同社は、「賞与は転職の決め手にも、転職を思いとどまる要因のひとつにもなる可能性があり、働く人の勤続への意欲に影響する」との見解を示している。
転職しなかったときの賞与額の平均は「107.7万円」。理想は平均「89.2万円」に
あわせて、同社は「賞与が高かったので転職をしなかったときの賞与額」を尋ねた。すると、全体平均は「107.7万円」で、部長クラスは「190.4万円」、課長クラスは「137.8万円」だった。また、「自分の仕事に見合う理想の賞与額」を尋ねたところ、全体平均は89.2万円で、部長クラスは193.4万円、課長クラスは132.7万円となった。
特に部長・課長クラスでは、「賞与が高かったので転職をしなかったときの賞与額」と大差がなかったため、極端に高額な賞与が必要なわけではなく、自分の仕事に見合う金額であれば転職を思いとどまる人が多いと考えられる。
今冬の想定支給額は平均「46.2万円」で、理想とは大きく乖離か
次いで同社が「今年想定している冬の賞与額」を聞いたところ、全体平均は46.2万円で、前年(46.7万円)よりも低く見積もっている人が多かった。また、自分の仕事に見合う理想の賞与額(平均89.2万円)とも、大きく乖離が生じる結果となった。そこで、「賞与額が想定を下回ったときに『転職意欲が高まる』割合」を調査したところ、賞与額が想定を下回ったときに「転職意欲が高まる」のは約7割で、役職別にみると課長クラスが最も高く8割を超えたとのことだ。
「賞与により転職のタイミングを調整した」との回答は半数にのぼる
最後に、同社は「転職のタイミングを賞与後に調整したことはあるか」を尋ねた。その結果、「賞与支給日を逆算して事前に転職活動を始めた」は31.5%で、「賞与額を見てから転職活動を始めた」の18.9%と合わせると50.4%となり、賞与に合わせて転職のタイミングを調整している人が半数にのぼることがわかった。その理由を自由回答で尋ねたところ、「賞与は今まで働いた分の報酬であるため、もらえないと損をした気分になる」、「今後の生活に支障が出ないように」などの声が聞かれたとのことだ。