
ミドル世代の転職意向は「異業種の同職種」が最多に。現職によっても転職軸は異なるか
自身のリスキリングやキャリアアップなども含め、今後の人生を考える際に「転職」を検討する人もいるだろう。そうした中、ミドル世代は「異業種転職」に対してどのような意向を持っているのだろうか。はじめにエン・ジャパンは、「転職活動において、異業種への転職や職種転換に興味があるか」を尋ねた。すると、「異業種の同職種」が67%で最も多く、以降、「同業種の同職種」が56%、「異業種の異職種」が44%、「同業種の異職種」が31%と続いた。
年代別で見ると、30代は「異業種の同職種」(55%)が、50代は「同業種の同職種」(60%)が、それぞれ他の年代より多いことも明らかとなった。


異業種転職を希望する理由は「成長業界・給与相場の高い業界で働きたい」が多数
次に同社は、「異業種転職(同職種・異職種)に興味がある」とした回答者に、「その理由」を尋ねた。その結果、「成長業界・給与相場の高い業界で働きたい」(42%)が最も多く、以降、「キャリアの幅を広げたい」(39%)、「新たな専門性やスキルを身に着けたい」(35%)と続いた。また、年代別で見ると、他世代と比べて割合が多かった項目は、30代が「成長業界・給与相場の高い業界で働きたい」(55%)、50代が「定年後を見据えて幅広い経験を積みたい」(39%)だった。
自由回答には、「現在の業種、働き方は年齢を重ねていくと難しいと考えたため」、「今の知識がどこまで通用するかがわからず、新しいことを学びスキルアップしたいから」、「年齢を重ねても続けられるように手に職をつけたいと感じているため」などの声が寄せられたという。

異業種転職における懸念、約7割が「選考が通るか」
続いて同社は、「異業種」への転職に興味があるとした回答者に、「異業種転職における懸念点」を尋ねた。すると、上位には「選考が通るか」(67%)、「これまでの経験・スキルが活かせるか」(55%)、「年収が下がらないか」(46%)が並んだ。年代別に見ると、30代は「年収が下がらないか」(55%)、「希望とマッチするか」(52%)が他世代よりも回答率が高かった。一方、50代は「選考が通るか」(69%)、「これまでの経験・スキルが活かせるか」(55%)が他世代よりも多かった。就労年数がまだ少ない30代では、転職後の「生活」や「働き方」を考える傾向にあり、経験を積んだ50代では「これまでのスキルが活かせること」を重要視する傾向にあると推察される。

異業種転職でよかったことは「仕事の幅や知識が身についた」など
次に同社が、「これまでに『異業種』への転職をしたことはあるか」を尋ねると、「ある」との回答が半数を超えたという。そこで、異業種への転職経験者に対し、「転職をしてよかったと感じたこと」を尋ねた。その結果、「仕事の幅が広がった」(64%)、「知識やスキルを磨けた」(57%)、「それまでの経験が活かせた」(36%)が上位を占めた。
自由回答では、「広告会社から事業会社への転職により、前職までのスキル・ノウハウを活かしながら、上流での意思決定に関与する機会を得られた」(メディカル)、「同職種であっても業界が変わればやり方も違う。それぞれのよいところ悪いところがあり、転職を繰り返すことで知識、経験、給与、人脈などがレベルアップしている気がする」(コンサルティング)などの声が聞かれたとのことだ。
