約8割の大企業がリスキリングの予算を「確保/検討中」と回答
自社人材の強化に向け、従業員へのリスキリングを支援する企業の動向が伝えられるようになってきているが、大企業におけるリスキリング予算の確保状況はどうなのだろうか。グロースXはまず、「来年度予算として、リスキリングの予算を確保/検討しているか」を尋ねた。すると、「確保している」が45%、「検討している」が32%と、既に予算を確保済みまたは検討中との回答は計77%で、8割に迫った。他方で、「確保も検討もしていない」(15%)と、「わからない/答えられない」(8%)との回答は計23%で、具体的な予算化が未定の企業も2割以上存在した。約9割が「マーケティング分野」でリスキリング予算確保か。3,000万円以上も3割に
次に、先の質問でリスキリングの予算を「確保/検討中」と回答した人に「マーケティングの分野において、リスキリングの予算を確保/検討しているか」について同社が尋ねた。すると、「確保している」と「検討している」との回答が約9割を占めたという。さらに、マーケティング分野のリスキリング予算を「確保/検討中」との回答者に「マーケティング分野に確保/検討している今年度のリスキリング予算」を尋ねると、最も多かったのは「3000万円以上」で34.8%だった。以下、「1000万円~2000万円未満」(17.4%)、「500万円~1000万円未満」、「2000万円~3000万円未満」(ともに11.6%)と続いた。
マーケティング分野以外で予算を確保する分野は「DX」が最多に
また同社は、マーケティング分野のリスキリング予算を「確保/検討中」との回答者に「マーケティング分野以外に、リスキリングの予算を確保している分野」を尋ねた。すると、「DX」(63.6%)が最多となった。以下、「プログラミング」(53.2%)、「データサイエンス」(46.8%)、「AI」(42.9%)と続いた。検討中のリスキリング施策は「eラーニングサービスの活用」が最多に
次に、「来年度どのような方法でのリスキリングを検討しているか」について同社が尋ねると、「eラーニングサービスの活用」(55.8%)が最多だった。以下、「外部セミナーの受講」(54.5%)、「コーチングサービスの活用」(46.8%)と続いた。自由回答には、「web情報を活用したグループワーク」や「海外の先進的な店舗の視察」、「スマホを活用したマーケティング学習ツールの導入」などといった声が寄せられたという。
リスキリング予算を未確保の理由は「目的・ゴールが明確化できていない」が最多に
他方で、リスキリングの予算を「確保/検討していない」と回答した人に、「その理由」を尋ねた。すると、最も多かったのは「目的やゴールが明確化できていないから」で33.3%だった。その他には、「社内規程などの環境整備ができていないから」(26.7%)、「予算・人材が不足しているから」(20%)が上位にあがった。自由回答には、「費用対効果の検討中」や、「経営状況が厳しく、リスキリングに予算を割く余裕がない」といった声が寄せられたという。