中小企業庁は2022年10月6日、中小企業生産性革命推進事業である令和3年補正予算による「事業承継・引継補助金」の3次締め切りの公募要領を公表した。本補助金は、事業承継やM&Aを契機に経営革新に取り組む「中小企業・小規模事業者」を支援するための取り組みとなる。
令和3年補正予算「事業承継・引継ぎ補助金」の3次公募が受付開始。中小機構は2次公募における採択事業者を発表

「経営革新」、「専門家活用」、「廃業・再チャレンジ」の各事業に最大600万円の補助

「事業承継・引継ぎ補助金」とは、事業承継を検討する中小企業等や、事業再編・事業統合により経営資源の引継ぎを進める事業者を費用面で支援する制度である。去る2022年10月6日に、中小企業庁は3次公募の申請受付を開始しており、今後2023年12月上旬には、4次公募も受付を開始する予定となっている。

なお、今回公募申請受付となった「3次公募の概要」は下記の通り。

【事業承継・引継ぎ補助金3次公募要領】

<申請受付期間>
2022年10月6日(木)~11月24日(木)予定

<概要>
〇経営革新事業
事業承継やM&Aを契機とした経営革新等への挑戦費用を補助することを目的とする。

●補助率:2/3
●補助上限:600万円以内
※補助額の内400万円超~600万円の部分の補助率は1/2 補助対象経費:設備投資費用、人件費、店舗・事務所の改築工事費用 等
●支援対象者:事業承継、M&A(経営資源を引き継いで行う創業を含む)を契機として、経営革新等に挑戦する中小企業・小規模事業者

〇専門家活用事業
M&Aによる経営資源の引継ぎ支援のため、M&Aに係る専門家等の活用費用を補助することを目的とする。

●補助率:2/3
●補助上限:600万円
●補助対象経費:M&A支援業者に支払う手数料
※デューデリジェンスにかかる専門家費用、セカンドオピニオン等(M&A支援機関登録制度に登録されたファイナンシャルアドバイザー(FA)またはM&A仲介業者によるFAまたはM&A仲介費用に限る)
●支援対象者:M&Aにより経営資源を他者から引継ぐ、あるいは他者に引継ぐ予定の中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む)

〇廃業・再チャレンジ事業
再チャレンジを目的とした、既存事業の廃業費用を補助することを目的とする。

●補助率:2/3
●補助上限:150万円
●支援対象者:事業承継・M&Aに伴い既存の事業を廃業し、新たな取り組みにチャレンジする予定の中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む)
※再チャレンジの主体は、法人の場合は株主、個人事業主の場合は個人事業主本人
※廃業・再チャレンジ事業は、経営革新事業・専門家活用事業と併用可
なお、本事業の実施機関である、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)は、2022年10月6日の3次公募開始に合わせて、2次公募の採択事業者の件数を発表。これによると、2次公募における採択件数は、「経営革新事業105件」、「専門家活用事業234件」、「廃業・再チャレンジ事業9件」の計348件だったという。

事業継続に向けた取り組みを検討したい中小企業および小規模事業者は、本制度のような公的な支援制度を活用することを検討してみてはいかがだろうか。




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