産業医の6割が「コロナ禍前と比べ相談件数が増加した」と回答
新型コロナウイルス感染拡大により、ストレスを感じる場面が増えた人もいるだろう。では、働く人に向き合う産業医が感じている「メンタルヘルス」の実態はどうなのだろうか。まず、メンタルヘルステクノロジーズは「新型コロナの流行以前(2020年2月前)と現在での相談を受ける件数の変化」について尋ねた。すると「非常に増加した」が24.5%、「やや増加した」は38.7%となり、「増えた」と回答した人は計63.2%となった。5割以上が「相談内容の変化があった」と答える
続いて、「新型コロナ前後の相談内容の変化」を尋ねると、「非常に変化があった」が23.6%、「やや変化があった」が33%となり、「変化した」と答えた人の合計は56.6%と半数を占めた。産業医自身のフリーコメントからは、「心の変化に対する相談が多くなった。」、「少しでも不調があればコロナウイルス感染を疑い相談に来る方が増えた」、「うつ状態の相談が増えた」といった変化を感じていることがわかった。
産業医が受ける相談内容のトップは「長時間労働への面接指導」
さらに、「産業医として、企業から相談される内容が多いもの」を尋ねたところ、1位は「長時間労働への面接指導」で45.3%、2位は「復職者との面談」で33%、3位は「感染症予防・テレワークに関する相談」の32.1%となっていた。人事と連携する役割の産業医が感じる「コロナ禍での人事業務の増加」
さらに、「産業医として仕事をする上で、感じている課題」を聞くと、最も多かったのは「人事業務の負担増による人事部門との密な連携が難しい」で31.1%が回答。以下、「1社に割く時間があまりない」(27.4%)、「テレワークに対応する知見がない」(26.4%)、「テレワークの従業員の状況がわからない」(24.5%)が上位回答となっていた。それ以外の自由回答では、「労働者の時間外勤務が多い」、「コンプライアンスが徹底できない」、「オンラインでのフォローがしづらい」などの意見もあげられた。