約7割の企業で「1on1ミーティング」を導入。高い関心が明らかに
近年、マネジメント施策の一環として行われる「1on1ミーティング」への注目が高まっているというが、導入・活用状況はどのようになっているのだろうか。リクルートマネジメントソリューションズは、まず「1on1ミーティングの導入状況」を尋ねている。すると、「人事施策として全社で導入している」が35.9%、「人事施策として一部の組織で導入している」が20.6%、「部門施策として一部の組織で導入している」が11.2%となり、合わせて67.7%が施策として導入していることが明らかになった。
従業員規模別にみると、3,000名以上の企業では、何らかの施策として「導入している」との回答の合計が75.7%だった。以下、700~2,999名企業では69.9%、100~699名企業では57.7%となり、規模にかかわらず、5割以上の企業で導入されていることがわかった。
3年以内の「1on1」導入が約6割に。コロナ禍によるリモートワーク普及が影響か
また、「公式施策としての1on1施策導入時期」を尋ねたところ、「3ヵ月以内」が2.8%、「6ヵ月以内」が9.1%、「1年以内」が25.4%、「3年以内」が23.2%となった。3年以内に導入した企業の合計は60.5%となり、「3年より前」の33.1%より27.4ポイント多くなった。同社は、「2020年からの新型コロナウイルスの流行によるリモートワークの普及で、部下と話す機会を意図的につくる必要性が感じられるようになったことなどが、1on1施策導入が進んだ要因だ」と分析している。
「1on1」導入の目的は「社員の主体性・自律性の向上」が最多
次に、同社が「1on1施策の導入目的・背景は何か」を尋ねた質問では、1位が「社員の主体性・自律性の向上」で52.5%、2位が「自律的キャリア形成の支援」で41.5%、3位が「評価の納得性の向上」で30.9%となった。以下、「エンゲージメント向上」(29.3%)、「離職率の低下」(24.9%)、「上司のフィードバック力の向上」(20.3%)などと続いた。
「1on1」導入で上司・部下のコミュニケーション機会創出に効果か
続いて、同社は「1on1施策で得られた効果」についても尋ねている。すると、「上司・部下のコミュニケーションの機会が増えた」が60.1%と最も多かった。次いで、「部下のコンディションの把握ができている」が46.5%となり、以下、「上司と部下が本音で話せる関係になっている」(40.2%)、「部下の成長が見られる」(30.3%)などの結果が得られたという。「1on1」によって上司・部下間の関係性にポジティブな変化が見られた企業も
「1on1ミーティング導入で職場・組織に生じた変化」を尋ねたところ、「上司と部下の関係性が良くなった」が40.9%と最も多く、次いで、「部下のモチベーションが上がった」が36.4%となった。以下、「職場の雰囲気が良くなった」(31.9%)、「上司のモチベーションが上がった」(24.8%)、「組織のエンゲージメントが高まった」(24.1%)などの回答が続いている。一方、「特になし」との回答は14.7%にとどまることから、同社は、「1on1施策の導入で、上司・部下両者の関係性にポジティブな影響が出ている様子がうかがえる」と分析している。