DX推進・AI活用を行なっている企業・団体は2割以下に
社会全体でデジタル化やDXの動きが広まるなか、企業のDX推進やAI活用は進んでいるのだろうか。はじめにAI insideは、「DX及びAIの活用状況」について質問している。すると、「AIを活用して、新たな価値創出ができている」が5.1%、「AIを活用して、新たな価値創出を目指している」が7%、「AIを業務効率化の範囲で活用している」が5.7%となった。「DX推進・AI活用をしている」との回答は合わせて17.8%となり、DX推進率やAI活用率は2割を下回ることが判明した。
また、「DX推進には取り組んでいるが、AI活用まではできていない」(7.4%)、「DX推進、AI活用共に必要性は感じているが着手できていない」(6.5%)などという回答も一定数あり、検討はしているもののAI活用まで着手できていない実態が浮き彫りになった。
AIソリューション導入企業の6割超が内製化に前向きな姿勢
続いて同社が、「システムの内製化状況」に関して、AIソリューションを導入している層に尋ねると、「自社開発を行い、内製化に取り組んでいる」が37.2%、「開発は外注だが、自社開発を検討している」が24.3%で、合わせて61.5%となった。すでにAIソリューションを導入している層では、約6割が内製化に向けて前向きな方針であることがうかがえる。一方で、AIの導入における「内製化の際の課題」に関する質問に対しては、「AIについて技術・知見のある人材がいない」が上位となり、社内でAIリテラシーが不足しているために、内製化が推進できていないという状況が浮き彫りとなった。
AI導入と並行した人材育成も。全体ではAI人材育成に消極的な意見も
そこで同社が、AIソリューションを現在導入している層に「AIに関する研修および人材育成の実施状況」について質問すると、「研修を実施し、人材育成を行っている」との回答が36.8%で最も多く、続いて、「研修の予定はあるが未着手、もしくは検討中」が19%となった。「社内のAI人材は十分確保できている」という回答はわずか10.5%となり、AIを活用しつつ、人材育成に取り組んでいる傾向がうかがえる。一方、全体では「AI人材育成の予定はない」との回答が70.8%となり、7割を超える企業・団体では、AI人材育成について検討段階に達していないことがわかった。これに対して、「AI人材は十分確保できている」は3.2%ほどにとどまる結果となった。この状況について同社は、「全体としてはAI人材が不足しているにも関わらず、費用対効果が分かりにくい人材育成及びAI活用に向けた投資に消極的な企業が多い」と見ている。
AI活用を行なっている企業は2割以下となり、その要因のひとつには、「AI活用を推進できる人材の不足」があるようだ。データやデジタルの活用がより求められていく昨今において、AIをどのように活用していくか、検討してみてはいかがだろうか。