株式会社カルチャリアは2021年11月5日、企業規模100名以上300名未満の企業経営者に実施した、「心理的安全性」に関する調査の結果を発表した。レポートは、2021年10月28日に実施し、従業員数100名以上300名未満の企業の経営者109名から得た回答をもとに作成。心理的安全性に関する企業の意識や、業績との関連性などがあることがうかがえる内容であった。
約9割の経営者が「心理的安全性」を高めたことで売上・生産性の向上を実感

ほぼ100%の経営者が、心理的安全性は「健全な組織運営のために重要」と回答

調査では、はじめに、「心理的安全性は健全な組織運営のために重要か」との質問があった。結果は「かなりそう思う」が70.7%、「ややそう思う」が28.4%で、合わせて99.1%もの経営者が心理的安全性を重要だと捉えていた。
約9割の経営者が「心理的安全性」を高めたことで売上・生産性の向上を実感

「心理的安全性を高める施策」を実施する企業が半数以上

続いて、「心理的安全性を高める施策を行っているか」との質問では、54.1%が「行っている」、35.8%が「行っていない」と答えた。半数を超える企業が何らかの施策を実施している一方で、重要性を把握しながら施策を実施していない企業も3割を超える結果となった。
約9割の経営者が「心理的安全性」を高めたことで売上・生産性の向上を実感

施策内容の最多は「ビジョン、ミッション、バリューをチーム内で共有」

また、「施策を行っている」とした回答者に、「行っている施策の内容」を聞いている。その結果、最も多かったのは、「ビジョン、ミッション、バリューをチーム内で共有」で、71.2%に。以下は、「メンバーのキャリア形成をサポート」(54.2%)、「ミーティングで全員が発言する機会の確保」(50.8%)などが続いた。さらに自由回答では、「第三者によるチェック、アンケートによる実態把握」、「頭ごなしに否定せず、褒めるところを探す」、「研修による自己改革」などの声があがったとのことだ。
約9割の経営者が「心理的安全性」を高めたことで売上・生産性の向上を実感

8割以上が心理的安全性への取り組みによる「売上・生産性向上」を実感

「心理的安全性の取り組みが、売上や生産性向上につながった実感があるか」について、「かなりそう思う」が32.2%、「ややそう思う」は52.5%となり、「そう思う」との回答が合わせて84.7%であった。「社員の心理的安全性と、売上や生産性は関連性が高い」ことが推測できる結果だ。
約9割の経営者が「心理的安全性」を高めたことで売上・生産性の向上を実感

取り組みを「さらに実施してきたい」企業が9割以上に

「心理的安全性を正しく理解し、企業価値・売上向上に向けてさらに取り組みを実施してきたいか」との質問に対しては、45%が「かなりそう思う」、47.7%が「ややそう思う」と回答し、「そう思う」の合計は92.7%にのぼっている。
約9割の経営者が「心理的安全性」を高めたことで売上・生産性の向上を実感
「心理的安全性」の重要性については、ほとんどの企業が認識しているようだ。しかし現状では、何らかの施策を行なっている企業は約半数にとどまっていることが、調査結果にも出ている。まずは心理的安全性を正しく理解し、社員の状況を把握してみてはいかがだろうか。

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